2005 Fiscal Year Annual Research Report
人間動作を完全に再現するアンドロイドの階層的動作モデルに関する研究
Project/Area Number |
17700191
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
港 隆史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50359858)
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Keywords | 人間-ロボットコミュニケーション / アンドロイド / 自然な動作 / 見かけの姿勢 / モーションキャプチャ |
Research Abstract |
人間に酷似したアンドロイドの人間らしい動作を実現するために,本年度はモーションキャプチャシステムを用いて人間の姿勢を計測し,その姿勢をアンドロイドに写像する手法の開発を行った.人間からヒューマノイドロボットへの姿勢・動作の写像に関する従来研究では,人間の体表面に取り付けたマーカーの3次元位置をキャプチャシステムで計測し,そこから逆運動学に従って人間の関節角度を計算し,それをロボットに入力する手法が一般的であったが,本研究では人間らしさを実現するためには,人間の見かけそのものを写像すべきであると考えた.すなわち,人間の骨格の姿勢だけでなく,体表面の動きまで写像させた.逆運動学を用いてこれを計算することは困難であるため,人間の姿勢(マーカー位置)をアンドロイドの制御入力に写像するニューラルネットワーク(NN)を学習させた.学習に使用する教示データを得るために,体型がアンドロイドと似た人間とアンドロイドの両者の体表面に複数のマーカーを取り付け,対応するマーカーの3次元位置が一致する(位置誤差が最小となる)ようにアンドロイドを制御させた. まずフィードバック誤差学習の枠組みを用いて,NNを学習させた.マーカー位置誤差をアンドロイドの制御入力にフィードバックすることにより,NNを学習させることができた.しかしフィードバック制御器をヒューリスティックに設計したため,真にマーカー位置誤差を最小化する写像になっていなかった. そこで次に,マーカー位置誤差を評価関数とし,評価関数を最小化するアンドロイド制御入力をシミュレーティッドアニーリングおよび山登り法により探索させた.この方法により,体表面の動きも含めた人間の見かけの姿勢をアンドロイドの写像することができた.人間の動作を一連の姿勢に分解して,写像させたところ,人間が意図的に動かしていない細かな動きの影響までアンドロイドに写像することができた.次のステップでは,これら得られたデータから人間の運動を意図的運動と無意識的運動に分解し,階層的な写像方法の構築を行う.
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Research Products
(3 results)