ハンズフリー音声認識システムにおける反射音の有効利用の研究

2006 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17700216
• Research Institution: Ritsumeikan University
• Principal Investigator: 西浦 敬信 立命館大学, 情報理工学部, 助教授 (70343275)
• Keywords: 音声認識 / 音響工学 / 信号処理 / ハンズフリー音声受音 / 耐残響性 / 反射音

Research Abstract

本研究では、ハンズフリー音声認識システムの性能向上を｀目指して、低次の反射音を「雑音」として抑圧するのではなく「目的音」として有効利用できないかという着想に基づいた新しい反射音有効利用の枠組みの確立を目指して、科学研究費補助金交付期間内に次の点を明らかにすることを計画している。
1.ハンズフリー音声受音・認識システムに適した反射音。残響に関する新たな尺度の提案
2.1.の尺度に基づく、音声認識時に有効利用可能な反射音と残響分別の枠組みの確立
3.1.の尺度に基づく、反射音を有効利用したハンズフリー音声認識システムの構築
4.直接音レス環境(直接音受音不可環境)における反射音を用いたハンズフリー音声認識システムの構築
昨年度の研究成果により、室内音響指標ISO3382に基づく「2点間信号減衰量」はハンズフリー音声認識性能と相関が高いことが明らかとなった。そこで本年度は、室内音響指標ISO3382に着目して、音声認識時に有効利用可能な初期の反射音と抑圧すべき後続の残響音との最適な分離時間の検討を行った。室内音響指標IS03382における「音の透明性C値」と「音の明確性D値」を用いた評価実験の結果、直接音到着後25ms〜30ms以上遅れて到来する反射音については音声認識性能の劣化につながることが明らかとなった。本研究により、直接音到着後25ms〜30m以内に到来する反射音については有効利用できる可能性を示すことができた。
来年度は本年度の成果に基づき、反射音の積極的な有効利用方法および直接音レス環境(直接音受音不可環境)における反射音を用いたハンズフリー音声認識システムについて検討を進める計画である。

Research Products

• [Journal Article] 話者方位情報とゼロ交差情報に基づくハンズフリー発話間検出の評価 (2007)
  • Author(s): 傳田遊亀, 田中貴雅, 中山雅人, 西浦敬信, 山下洋一
  • Journal Title: 情報処理学会研究報告 SLP音声言語情報処理 Vol. 2007, No.11 Pages: 109-114
• [Journal Article] 話者方位推定に基づく適応型ゼロ交差検出を用いたハンズフリー発話区間検出法の評価. (2007)
  • Author(s): 傳田遊亀, 田中貴雅, 中山雅人, 西浦敬信, 山下洋一
  • Journal Title: 日本音響学会2007年度春季研究発表会 Pages: 103-104
• [Journal Article] A Study of Suitable Reverberation Criterion for Distant-talking Speech Recognition Based on Early and Late Reflection (2006)
  • Author(s): Takanobu Nishiura, Yuki Denda
  • Journal Title: WESPAC IX 2006(The 9^<th> Western Pacific Acoustics Conference) Pages: 122
• [Journal Article] A Study of Hands-free Voice Activity Detection based on Weighted CSP Analysis and Zero Crossing Detector (2006)
  • Author(s): Takamasa Tanaka, Yuki Denda, Masato Nakayama, Takanobu Nishiura
  • Journal Title: WESPAC IX 2006(The 9^<th> Western Pacific Acoustics Conference) Pages: 201
• [Journal Article] Robust talker localization algorithm based on weighted CSP analysis and maximum likelihood estimation (2006)
  • Author(s): Yuki Denda, Takanobu Nishiura, Yoichi Yamashita
  • Journal Title: WESPAC IX 2006(The 9^<th> Western Pacific Acoustics Conference) Pages: 205
• [Journal Article] An Evaluation of Hands-free Voice Activity Detection Algorithm based on Weighted CSP Analysis and Zero Crossing Detector (2006)
  • Author(s): Takamasa Tanaka, Yuki Denda, Masato Nakayama, Takanobu Nishiura
  • Journal Title: 4th Joint Meeting of the ASA and the ASJ Vol. 120, No. 5 Pages: 3040
• [Journal Article] An investigation of early reflection signal based on impulse response on automatic speech recognition (2006)
  • Author(s): Yoshiki Hirano, Yuki Denda, Masato Nakayama, Takanobu Nishiura
  • Journal Title: 4th Joint Meeting of the ASA and the ASJ Vol. 120, No. 5 Pages: 3042
• [Journal Article] 初期反射音と後続残響音に基づく残響下音声認識性能の推定に関する検討 (2006)
  • Author(s): 西浦敬信, 平野良季, 傳田遊亀
  • Journal Title: 日本音響学会2006年度秋季研究発表会 Pages: 37-38
• [Journal Article] 雑音下音声区間検出手法評価基盤の構築 (2006)
  • Author(s): 北岡教英, 西浦敬信, 中山雅人, 藤本雅清, 山田武志, 滝口哲也, 山本一公, 宮島千代美, 柘植覚, 中村哲, 武田一哉, 黒岩眞吾
  • Journal Title: 日本音響学会2006年度秋季研究発表会 Pages: 103-104
• [Journal Article] マイクロホンアレーを用いた時間/空間情報に基づくハンズフリー発話区間検出法の評価 (2006)
  • Author(s): 田中貴雅, 傳田遊亀, 中山雅人, 西浦敬信
  • Journal Title: 日本音響学会2006年度秋季研究発表会 Pages: 25. 26
• [Journal Article] マイクロホンアレーを用いた時間/空間情報に基づくバンズフリー発話区間検出の検討 (2006)
  • Author(s): 傳田遊亀, 田中貴雅, 中山雅人, 西浦敬信, 山下洋一
  • Journal Title: 情報処理学会研究報告 SLP音声言語情報処理 Vol. 2006, No.73 Pages: 7-12
• [Journal Article] 雑音下音声認識評価ワーキンググループ活動報告 : 認識に影響する要因の個別評価環境 (2006)
  • Author(s): 北岡教英, 山田武志, 滝口哲也, 柘植覚, 山本一公, 宮島千代美, 西浦敬信, 中山雅人, 傳田遊亀, 藤本雅清, 田村哲嗣, 黒岩眞吾, 武田一哉, 中村哲
  • Journal Title: 電子情報通信学会技術研究報告 SP 音声 Vol. 106, No. 443 Pages: 1-6
• [Journal Article] CENSREC-1-C : 雑音下音声区間検出手法評価基盤の構築 (2006)
  • Author(s): 北岡教英, 山田武志, 柘植覚, 宮島千代美, 西浦敬信, 中山雅人, 傳田遊亀, 藤本雅清, 山本一公, 滝口哲也, 黒岩眞吾, 武田一哉, 中村哲
  • Journal Title: 情報処理学会研究報告 SLP音声言語情報処理 Vol. 2006, No.107 Pages: 1-6