2006 Fiscal Year Annual Research Report
デコヒーレンス効果を利用した脳模倣型量子計算アルゴリズムに関する研究
Project/Area Number |
17700224
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
金城 光永 琉球大学, 工学部, 助手 (50396529)
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Keywords | 量子計算アルゴリズム / 断熱的量子計算 / ニューラルネットワーク / デコヒーレンス効果 / 自己連想記憶 / ヘップ則 |
Research Abstract |
当該研究では、量子計算アルゴリムズの中でも汎用性の高い脳模倣型量子計算アルゴリズムにおける、量子系のエネルギー縮退の存在による解発見確率低下を踏まえて、エネルギー散逸を積極的に取り入れた新しいアルゴリズムの開発及びそのハードウェア検証を目的とし、初年度研究計画にて行った、仮想的な小規模量子計算機におけるデコヒーレンスの効果を取り入れた新しい脳模倣型量子計算アルゴリズムの計算機シュミレーションによる検証結果を踏まえて、様々な問題を適応的に解くことが可能となるように、学習機能を付加した新しい脳模倣型量子計算アルゴリズムを提案し、実際のハードウェアを考慮した量子ビットの配置を念頭に置きつつ初年度設備費にて購入した高速汎用計算機の利用による計算機シミュレーションを通して評価・検討を行った。その際、脳構造を工学的に応用したニューラルネットワーク研究分野におけるニューラルネットワーク研究分野でのヘッブ則を参考にしてハミルトニアンをヘッブ則に類似した手法で学習により取得するアルゴリズムとして実現した。その学習機能を付加した新しいアルゴリズムによって得られたハミルトニアンと、これまでに提案したアルゴリズムにより算出されるハミルトニアンを比較検討した結果、両者ほぼ同一のハミルトニアンであることが判明し且つそれぞれのアルゴリズム適用後の量子ビット状態が意味する自己連想された記憶パターンも非常に高い類似性を有していることが確認できた。この結果より新しく提案した学習機能を有するアルゴリズムの実現可能性を確認し、また自己連想記憶において、これまでに提案したアルゴリズムにて利用していたハミルトニアンが最適である可能性も確認できた。以上の結果とハードウェア実現可能性を含め論文としてまとめて投稿し採択・掲載された。
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Research Products
(3 results)