2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700275
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山口 拓洋 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (50313101)
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Keywords | 生物統計学 / 生存時間解析 / がん |
Research Abstract |
がん臨床研究で得られる多変量生存時間データの解析方法に関して以下の検討を行った。 ・繰り返し事象データ(再発事象データ)の解析 同一の事象が繰り返し発生する再発事象データに関して、がん研究を問わずこれまでに提案されている解析手法、特にCoxの比例ハザードモデルを拡張したモデルについて総括し、雑誌「計量生物学」に総説として発表した。また、いくつかのモデルを実際の表在性膀胱がんデータへ適用し、各モデルの特徴や得られる結果の解説をまとめた。 ・クラスターデータの解析 クラスター生存時間データに対する解析方法として変量効果を考慮したハザードモデル(frailty)の適用を考え、実行が比較的容易な新たなパラメータ推定方法を提案した。提案した方法の性能評価のためコンピュータシミュレーションを行い、その実用性について議論した。また、多施設で実施された表在性膀胱がんの膀胱内注入療法のメタアナリシスデータを用いて施設間差及び予後予測の解析を行った。後者については、予後予測指標(Prognostic Index)のバリデーションの方法の1つとして施設効果を変量効果とみなしたfrailtyモデルを用いた方法を提案し、統計関連学会連合大会で発表した。 ・多段階遷移データ及び競合危険データの解析 血液腫瘍に対する移植データの解析を例に挙げ、競合危険データの解析方法として累積発症率を考慮した方法や多段階遷移モデルを用いた方法について総括した。また、臍帯血移植データの解析を行った。
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