2005 Fiscal Year Annual Research Report
ノンパラメトリック回帰による多次元構造の探索:推定方式の改良と実装
Project/Area Number |
17700280
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂本 亘 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (70304029)
|
Keywords | ノンパラメトリック回帰 / 非線形構造の探索 / 交互作用の推定 / MARS / 回帰スプライン / 経験Bayes法 / 罰則付き尤度接近法 / 周辺尤度 |
Research Abstract |
本研究は、非線形構造の探索・診断という観点からノンパラメトリック回帰の方法論を再整備し、ノンパラメトリック回帰をより強力な探索的データ解析の道具にすることを目指す。とくに、交互作用効果を含む多次元ノンパラメトリック回帰モデルの有用性を探る。 本年度は、Friedmanによって開発された多変量適応的回帰スプライン(MARS)について、より有益な回帰構造の解釈を得ることを目標に、基底関数および節点の選定方式を再検討した。最近主流となっているBayes流接近法について調査を行ったところ、予測性能が良好であるものの、計算コストや回帰構造の解釈など様々な面で難点があることが分かった。そこで、度数流のモデル選定とBayes流接近法の両方の利点を活かすために、経験Bayes法の利用を提案した。とくに、Bayes因子が周辺尤度の比で与えられることに着目し、周辺尤度の利用を提案した。MARSの前進過程では、基底関数に用いられる変数の種類・個数および節点などを周辺尤度の最大化によって選定し、所与の基底に対する回帰係数は、やはりBayes流接近法との関連に基づき、罰則付き最尤推定法を用いて推定する。基底関数の個数は赤池Bayes情報量規準(ABIC)を用いて決定する。基底関数の剪定を行う際にも周辺尤度を最大化する。提案した手法は、数種の事例データに対して,容易に解釈できる回帰構造の推定を与えることを確認した。 今後の実施計画として、提案した手法のシミュレーションなどによる性能評価、およびコンピュータ・プログラムの開発などを予定している。
|
Research Products
(1 results)