2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17700544
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
佐々 尚美 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (50379525)
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Keywords | 住環境 / 室内温熱環境 / 住まい方 / 個人差 / 快適感 / 平均皮膚温 |
Research Abstract |
これまで提案されている室内温熱環境の快適範囲は、平均的な人や全体の約80%の人を対象とした範囲であり、残り20%は考慮されていない。しかし、その考慮されていない20%の人には高齢者や冷え性、寒がりなど温熱的に弱者が含まれると考えられ、今後は様々な温熱環境適応特性に応じた快適な室内温熱環境の提案を検討していく必要がある。そこで、本年度は、温熱的特性ごとの人体反応の特性を把握すること目的に、特性として暑がり・寒がりを被験者の対象とし人工気候室実験を実施した。 実験は、人工気候室実験において、夏服着用の被験者を2〜3名同時に入室させて椅座安静状態を保ちながら120分間暴露した。温熱環境条件は、気温20、25、28、32℃の4条件とし、相対湿度50%、不感気流とした。測定項目は、床上高さ0.6mの気温及びグローブ温度、相対湿度等の室内温熱環境を、皮膚温(Hardy&DuBoisの12点法及び冷える部位)や舌下温、血圧・心拍数などの生理的反応を、温冷感、快適感等の主観的反応とした。皮膚温及び環境温度はステーションロガーを用いて30秒間隔にて連続測定し、血圧・心拍数は30分間隔、舌下温及び主観申告は10分間隔にて測定した。また、日常の生活習慣や体質などのアンケート調査や体格の測定も実施した。暑がりあるいは寒がりである女子大学生15名を被験者として採用した。 その結果、寒がりは気温25℃、28℃において末梢部の皮膚温が暑がりより低く、28℃より低い気温では、暑がりより末梢部の温冷感は涼しい側であり、暑がり寒がり別に同じ環境下での人体反応には違いが認められた。また、同じ平均皮膚温でも暑がりの方がより暑さを感じており、快適とする平均皮膚温および気温は、暑がり寒がり別に異なり、寒がりの方がより高い平均皮膚温範囲および気温を快適とした。暑がり寒がり別に室内温熱環境を考慮する必要性が認められた。
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