2005 Fiscal Year Annual Research Report
重症身障害者施設入所者の乳酸菌による免疫賦活効果およびQOL向上に関する検討
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17700581
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Research Institution | Research Institute for Production Development |
Principal Investigator |
森 真理 (財)生産開発科学研究所, 予防栄養医学研究室, 研究員 (70399343)
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Keywords | 栄養改善 / 腸内環境改善 / 免疫賦活効果 / クレモリス乳酸球菌 / インフルエンザ抗体価 |
Research Abstract |
免疫力は食環境の改善によって高まる可能性が示唆されている。そこで、栄養成分の吸収能力低下など身体機能の衰えから、感染症等にかかり易いと言われている小児、特に重症心身障害者施設入所者を対象に、カスピ海ヨーグルト(クレモリス乳酸球菌<LCFC>)100gを毎日10週間摂取することで、栄養改善効果やインフルエンザワクチンの抗体価並びに免疫賦活効果の有無について検討した。有効対象者50名の検討で、インフルエンザA型(H1N1)抗原の抗体価が低値のグループではヨーグルト(Y)群で増加し、介入前後の変化率で群間に有意差(p<0.05)を認め、IgEでは対照(P)群において介入後で有意(p<0.05)の上昇を認めた。総蛋白、アルブミンにおいてP群が介入後に減少し、Y群と比べ群間で有意差(p<0.05)を認め、プレアルブミンではP群で介入後に有意(p<0.05)の低下を認めた。免疫能と関係するセレンではP群で介入後に有意(p<0.01)の低下を認めた。カスピ海ヨーグルトの摂取はインフルエンザ抗体価の低い重症心身障害者の抗体価を上昇させ、栄養価がほぼ等しいミルクの摂取と比較して、アルブミン、血清蛋白を有意に上昇させた。よって、同ヨーグルトは免疫の低下した障害者において蛋白質の吸収改善と免疫賦活効果があると結論できる。 次に、若い世代の検討では、食の乱れから慢性的な野菜不足や極端なダイエットなどで便秘気味な女性が増加傾向にあり、腸内環境が良好でないことが推測され、充分な栄養素を体に取り込みにくい状態が考えられる。そこでS大学在学中の学生77名を対象にカスピ海ヨーグルト200gを毎日8週間摂取することで、血液検査や便通アンケート調査、24時間採尿や採便調査などにより、整腸作用や免疫賦活効果の有無の検討を行った。介入後健診を平成18年2月後半に行っており、現在結果データのまとめを行っている。
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