2008 Fiscal Year Annual Research Report
小学校理科の教員養成カリキュラムの検討と教育プログラムの開発
Project/Area Number |
17700590
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
種村 雅子 Osaka Kyoiku University, 教育学部, 准教授 (30263354)
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Keywords | 物理教育 / 教員養成 / 科学館 / 科学史 / 知的財産教育 / 歴史的実験機器 |
Research Abstract |
教員養成系学部での物理教育では学生が理解することと, 彼らが教員になったときに現場で実践的な授業ができることという2つの側面を担っている。そのような新しいカリキュラムを検討し, 物理嫌いの多い教員志望の学生でも興味を持てる教育内容・方法を実践的に研究した。 【1】2005年度は「世界物理年」と称されて, 各地で物理教育に関するイベントが開催された。その一つとして, 大阪市立科学館の協力を得て学生が展示物を解説するという企画を立てた。学生にとっては「教えてもらう」という従来のスタイルから「自ら学び, 伝える」という新しい教育スタイルである。 【2】近年は知的財産権に関する正しい知識を求められている。そのためには義務教育段階で知的財産教育のできる教員の養成が必要である。そこで, 物理に関する発明のエピソードを題材にして, 特許とは何かを学習できる小冊子「レントゲンって誰? X線って何? 」を作成した。ここでは, 前半には導入としてレントゲンがX線を発見したが, 特許を取得しなかったという経緯を漫画で掲載した。後半では特許制度, X線について説明をしている。 【3】歴史的実験機器を参考にした教材作りを行った。表面張力試験器はカラーモールを使えば小学生でも作製することができる。理科の授業だけでなく, 図工・算数との教科を横断した教育実践が可能である。 【4】科学史を活用して科学者が発見に至った思考過程を追体験的に学習することは, 文系理系を問わず興味をもつことができる。そこで電磁気学の発展に貢献した実験の教材化を試みた。ガルバーニが発表した動物電気からボルタが電池を発明し, その電池を使っていたエールステッドが電流の磁気作用を発見した。ファラデーは電流から磁場が得られるならば, 磁場から電流が得られるのではないかと考えて, 電磁誘導の発見に至った。
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Research Products
(5 results)