2005 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期の知的発達に適したメディア教材のデザイン開発と利用効果についての実証的研究
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17700622
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Research Institution | Shukugawa Gakuin College |
Principal Investigator |
森田 健宏 夙川学院短期大学, 人間コミュニケーション学科, 講師 (30309017)
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Keywords | 情報教育 / 幼児教育 / 入門期教育 / ユーザインタフェース / 子どもにとってのユーザビリティ / 入力デバイス / 科学教育 / ICT |
Research Abstract |
幼児期の子どもたちにパソコン利用を指導する上で考慮しなければならない問題の1つに、子どもにとってのユーザビリティの適切性がある。これはパソコンの保育利用について検討され始めた1990年以降、問題提起がなされつつも積極的に検討されてこなかった内容である。そこで、僅かな先行研究の知見をふまえ、幼稚園3歳児のうち初めてパソコンに触れる子どもだけを対象に、マウス、ペンタブレット(PC)、クレヨン(画用紙)による円模写課題を題材に、カーソルの始点同定所要時間、円模写課題遂行時間、円模写軌跡の逸脱距離の比較について実験的手法によるユーザビリティ実態調査を行った。その結果、カーソルの始点同定所要時間については、マウスがペンタブレット、クレヨンよりも有意に時間を要していること、円模写課題遂行時間については、マウス、ペンタブレット共にクレヨンよりも有意に時間を要していること、円模写の軌跡の比較では、データの平均より、マウスが始点〜140°の間で逸脱が生じやすいのに対し、ペンタブレットでは180°〜280°の間で逸脱が生じやすいことが明らかになった。これらの結果は、単に円模写課題という限定された条件だけでなく、フォルダやファイルを特定することや、ドラッグ操作など一般的なパソコン操作における初期利用の困難性として解釈できるものと考えられる。よって、幼児向けのメディア機器のユーザビリティ改善を検討するにあたり、特に操作面に入力過程が表示されないことが操作の困難さを感じさせる大きな要因であることが伺われたため、操作面と表示面が分離されたスタイルよりもタッチパネルや直接入力型ペンタブレットのように操作面と表示面が一体化されているものや、グローブ型入力デバイスのように身体感覚で直接入力可能なものから導入していくことが望ましいと考えられる。
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Research Products
(1 results)