2005 Fiscal Year Annual Research Report
脂質ナノチューブネットワークを用いた新規DDSの設計
Project/Area Number |
17710094
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
野村 慎一郎 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, COE拠点形成特任教員 (50372446)
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Keywords | リポソーム / ネットワーク / DDS / ゲル / 薬剤徐放 |
Research Abstract |
本研究では,固定化された脂質ナノチューブネットワーク構造を新規DDSとして用いるための基礎データを収集すること目的としている. 本年度は,親水性ゲル中に固定化された脂質ナノチューブネットワークの安定性ならびに外部刺激(温度,pH,コレステロールを一定割合で含むチューブネットワークに対するゲル外部からのシクロデキストリン添加等)による断片化による構造安定性の変化の調査を行った.これらの挙動にはゲルの強度と脂質膜の状態が大きく影響することが予想されたため,各サンプルの脂質膜および内水相の状態を確認するために随時,蛍光顕微鏡による直接観察を行った.その結果,ゲル強度および脂質濃度の初期条件に明確に依存したネットワーク形成能の違いが確認された.さらに,蛍光分光光度計を用いて,微量の蛍光脂質(脂溶性薬物モデル)により予めラベルした脂質チューブのゲル内へのネットワークの保持効率と,外部刺激による構造の崩壊〜外部溶液中への放出挙動を測定した.また,ネットワークを形成したチューブ内部には巨大分子(DNA,166kbp)をも封入可能であることが直接観察によって示された.以上の結果について本年度の高分子討論会にて議論を行った.現在,実験データの追加を行っており,論文投稿準備中である.本年度中に購入した備品を用いて,来年度は親水性薬物の徐放,ならびにこのネットワーク構造の細胞への物質輸送デバイスとしての利用を検討する予定である.
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