2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ帯電粒子-DNA複合体を用いた遺伝子トランジスタによる高感度遺伝子多型解析
Project/Area Number |
17710107
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂田 利弥 東京大学, 大学院工学系研究科, 特任講師 (70399400)
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Keywords | 遺伝子トランジスタ / 遺伝子多型解析 / 電位計測 / ナノ粒子 / DNAチップ / 高感度 / ナノバイオ / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
平成18年度は、ターゲットDNAの濃度を変化させ高感度化の効果を調査し、ナノ帯電粒子-DNA複合体導入による-塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism, SNP)検出のプロトコルを確立した。まず、ターゲットDNAの濃度を100aM、100pM、100μMと変化させ各サンプルをハイブリダイゼーション後、複合体を導入しその前後の電気特性変化を調べた。その結果、ターゲットDNA濃度が100aMという低濃度でも複合体の導入によりしきい値電圧(V_T)が12mV変化することが明らかとなった。この結果は通常のハイブリダイゼーションによるV_T変化の5倍程度大きく、複合体導入による低濃度サンプルの検出が可能となった。さらに本課題のSNP検出ではライゲーションアッセイ法を利用する。ライゲーションアッセイ法ではサンドイッチアッセイによリターゲットDNAとハイブリダイゼーションしたDNAプローブと複合体DNA(レポーターDNA)をリガーゼ酵素により連結(ライゲーション)する。その際DNAプローブはライゲーションする末端がSNPサイトとなるように設計する。末端のSNPサイトがターゲットDNAと相補的である場合は酵素反応によりレポーターDNAがDNAプローブとライゲーションされ複合体はゲート表面上に残る。そのためライゲーション反応後ターゲットDNAを解離するとゲート表面に複合体が固定されたまま残る。一方末端のSNPサイトがターゲットDNAと非相補的である場合はライゲーション反応が起きないためターゲットDNAが解離される際に同時に複合体もゲート表面から取り除かる。このようにライゲーション反応の有無による複合体の電荷密度変化をV_T変化として捉えることにより高感度のSNPタイピングが可能となる。平成18年度は以上の一連のプロトコルがゲート絶縁膜表面で可能であることを確認した。
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Research Products
(5 results)