2005 Fiscal Year Annual Research Report
電子線と粒子線の組み合せによるナノ構造作製と物性評価
Project/Area Number |
17710120
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
三石 和貴 独立行政法人物質・材料研究機構, 超高圧電子顕微鏡ステーション, 主任研究員 (40354328)
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Keywords | 電子線誘起蒸着 / ナノ構造作製 / EBID / CVD |
Research Abstract |
基板上に原料となる金属などの物質を含むガスを流し、そこに収束した粒子線や電子線を照射することでビームを当てた所にのみ局所的に所望の物質を蒸着する手法を収束イオンビーム化学気相成長(FIB-CVD)または、電子線誘起蒸着(EBID)という。これらの手法は既にいくつかのグループによって研究されており、リソグラフィーで用いられるマスクの局所的な補修や、電界放射銃のチップへの応用の試みなどがなされている。しかし、この手法によってナノ構造を作製するには、電子線によって分解し、かつ適度な蒸気圧を持つ原料ガスが必要であり、任意の物質によってナノ構造を作製することは困難である。 本研においては、粒子線による研磨と組みあわせることで、電子線誘起蒸着では適切な原料ガスが存在しないために作製困難な物質によるナノ構造作製を目的とする。具体的には、基板に対して作製したい形状を電子線誘起蒸着によってナノマスクとして蒸着し、それを粒子線により研磨することで、あらゆる物質での名の構造の作成をこれまでにないサイズで実現する。 平成17年度は、マスクの形状の最適化を行うために、既設の走査電子顕微鏡に低加速イオン銃を取り付けその場観察を行うことでメカニズムの解明を行い、最適化を行ことを目的として研究を行った。本科研費により低加速イオン源を購入し、既設の電子線誘起蒸着のためのガス導入装置を備えたUHV-SEMに取り付け実験を行った。これらにより、電子線蒸着によって作製された様々なマスク形状による、得られるナノ構造物のサイズの変化や、研磨速度などの知見が得られ、適切なタイミングで研磨を終了することで10nm以下の構造物も作製可能であることが示された。また、この手法を電子顕微鏡用の薄片試料の作製に応用することで、これまでよりも短時間での試料作製が可能になるとの知見を得、学会発表を行った。
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Research Products
(1 results)