2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17710123
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 輝好 北海道大学, 大学院経済学研究科, 助教授 (90360891)
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Keywords | 金融工学 / 生命保険 / 消費投資問題 / 地震危険 / フィナンシャルプランニング |
Research Abstract |
まず,個人の生命保険への加入問題を消費と資産運用のバランスから扱った論文「共働き世帯の投資と消費および生命保険加入に関する最適計画」が日本保険・年金リスク学会誌(Vol.2,No.1pp.33-55)に掲載された.本論文では,世帯主に加えて収入のある配偶者についても考慮し,世帯の投資と消費および生命保険加入に関する最適計画を解析的に導出した.簡単な数値例から,いくつか常識と異なる結果を得た.例えば,リスク回避度に依存するとはいえ,収入のある二人が世帯を形成する場合,相対的に将来収入の小さい個人は,たとえ十分な収入を得ていても生命保険ではなく年金(生存保険)に加入する戦略が最適であることが示された. 次に,家屋を保有する家計の資産運用問題を地震危険の下で扱った研究「地震による家屋の損壊と家計の最適消費投資計画」を日本保険・年金リスク学会第3回研究発表大会(2006年10月)において口頭発表した.家屋は資産であるとともに効用をもたらす耐久消費財であることをモデル化し,地震危険の下では予想外に家屋のサイズを上昇させる必要があることが分かった.これは地震発生までの間により大きな家に住み,より多くの効用を得ることが合理的であることを意味する.もちろん,様々な仮定の下で得られた結果であり,今後より現実的な設定を試みる必要がある.また同研究は,国際会議Quantitative Methods in Finance Conference 2006(12月・シドニー)において"Optimal Consumption and Investment Strategies of Homeowners Facing the Risk of Earthquakes"として発表した.
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Research Products
(2 results)