2006 Fiscal Year Annual Research Report
走行車両の安定性を考慮した高速道路ネットワークの地震時安全性の促進に関する研究
Project/Area Number |
17710152
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丸山 喜久 千葉大学, 工学部, 助手 (70397024)
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Keywords | 走行安定性 / 高速道路 / 地震動 / アンケート調査 / 道路構造物の地震応答 / 緊急地震速報 |
Research Abstract |
本研究の目的は,高架橋など道路構造物上の車両の地震時走行安定性について数値解析的に検討するなど,自動車運転者の観点から高速道路ネットワークの地震時安全性を促進することである. アンケート調査に基づき,実地震下での高速道路運転者の地震時の行動特性を評価すると,震度5以上の強震域を走行中であっても地震発生に気付かない運転者が見られるなど,震動の影響で路面の段差や陥没が発生すると衝突事故が発生する可能性が否定できないことが分かった.新潟県中越地震では,路面の段差が原因となった事故が発生していることも報告されており,交通量の多い都市部では地震直後に多数の事故が発生することが懸念される.なお,航空写真を用いた画像解析によって,高速道路上の車両の走行に支障のある構造物被害の把握を試みると,目視で被害と判断される被害箇所はすべて抽出することができたが解析結果にはノイズがやや残るので,今後はフィルタリング方法などについてより詳細な検討を行う必要がある. 橋梁などの道路構造物の地震応答特性が,走行車両の地震応答量に与える影響を検討した.地表面地震動を入力地震動とした場合と構造物の応答加速度を入力地震動とした場合の車両の応答を比較すると,車体のロール運動のための荷重移動量やヨー角が構造物応答を入力したときに大きくなり,その結果車両の横変位量も地表面地震動の場合と比べて大きくなることが明らかとなった.さらに,緊急地震速報が高速道路運転者に与える影響を,サーバーで連動された2台のドライビングシミュレータを用いた地震時走行実験で検討した.自動車交通に緊急地震速報を導入するためには,速報を受け取った場合のハザードランプを点灯させるなどの対応方法を共通化することが必要であるという課題が得られた.
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Research Products
(3 results)