2005 Fiscal Year Annual Research Report
風力エネルギーを用いた離島用海水淡水化システムの開発
Project/Area Number |
17710155
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
天久 和正 琉球大学, 工学部, 助手 (40284955)
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Keywords | 風力エネルギー / 風力発電 / 小形風車 / 海水淡水化 / 海水蒸留装置 / 製塩 / 渇水対策 / 効用缶 |
Research Abstract |
本研究では,まず離島地域の風力エネルギー賦存量および水事情の調査を行った.風力エネルギー賦存量については「沖縄県新エネルギー賦存量調査(風力編)」を元に各離島における風況および風車設置可能面積等を調べた.水事情については沖縄県企画部がまとめた離島関係資料を参考に,沖縄本島等の大規模離島からの送電・送水の有無を確認しながら,小規模離島における海水淡水化装置の利用および最大給水量をまとめた.これらの調査結果を元に,風力を利用した開発蒸留装置による給水能力を検討したところ,各離島が風況に恵まれていることにより十分利用可能であることが明らかとなったが,一部,阿嘉島等においては風車設置可能面積が小さいため,予想造水量が小さくなる結果となった. 個別開発要素である3kW小形風力発電機については,強風時における自動運転が課題となっていた.今年度は,運動方程式を用いて小形風車の過回転特性について明らかにし,さらに過回転特性を考慮した制御プログラムを作成して各種風況下の風車運転シミュレーションを行った.その結果,風車回転数および発電量を用いて風速および乱れ強度を推定し,それを発電出力制御およびブレードピッチ角制御の判断に利用することで,強風時でも過回転を起こさず安全に発電させることが可能となった.また今後の実風況下実験および長期風況観測ができるよう実験環境を整備した. もう一方の個別開発要素である海水蒸留装置については,3kW電気ヒータを用いた海水蒸留実験を行い,熱交換部(凝縮缶)において2次蒸気が多く発生したことで昨年度より大幅に効率が向上し,多くの凝縮水を得ることが出来た.但し,連続運転に向けて,加熱部に付着する析出塩の対策が未解決である.
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