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2005 Fiscal Year Annual Research Report

ヴィクトリア朝散文家におけるロマン派詩論の継承と発展

Research Project

Project/Area Number 17720050
Research InstitutionKyushu Institute of Technology

Principal Investigator

虹林 慶  九州工業大学, 工学部, 助教授 (40315164)

Keywordsラスキン / バイロン / 詩論 / シェリー / 国際情報交換 / イギリス
Research Abstract

平成17年度研究計画に基づき、次の3つのテーマについて研究を行った。
1)ロマン派詩人のラスキンに対する影響について。2)ラスキンの芸術理論におけるロマン派的思想について。3)ロマン派詩論の再確認としての、シェリーとシドニーの『詩の弁護』の比較検討。
一つ目のテーマは、バイロンとラスキンの影響関係についてである。ワーズワースやスコットとの関係と比べて、バイロンとの関係はあまり研究の及んでいない分野である。従来の研究では、バイロンの詩的世界とラスキンの絵画風景との関連などに着目したものがある。しかし、本研究においては、ラスキンがバイロンから得た霊感を建築という全く異なる媒体において表現することに成功していることを一次資料を多く用いて証明した。この研究成果は、2005年度日本バイロン協会にて口頭発表した。現在、論文としてまとめ、雑誌に投稿中である。バイロンがラスキンの建築批評に影響したことを論じた論文はいまだない。
二つ目のテーマは、一つ目のテーマを大きく膨らませたもので、いわば17年度の研究の集大成である。ラスキンの芸術理論(建築批評を中心に)がどのような感性と思考のもとに生まれてきたかを、ラスキンの芸術思想をもとに考察した。特に重要なのは、理想化された中世の石工である。この人物像がいかにロマン派詩想に影響をうけてつくりだされたかを論考した。また、ラスキンの散文(絵画論と建築論)がロマン派文学発展の媒体として機能していることを提唱する。イギリスの研究者達と議論して研究を進め、現在論文としてまとめているところである。
以上、新規に始めた分野としては年次計画通りの研究を行うことが出来た。
なお、三つ目に上記の研究の副次的テーマとして、ロマン派詩論の特徴を再確認する作業も行った。具体的には、シェリーの詩論の中心的著書である、『詩の弁護』を先達であるシドニーの『詩の弁護』と比較分析することで、シェリー詩論の特徴的社会性を示した。この作業によって、一つ目のテーマにおける、ラスキンのロマン派的特徴をより具体的に位置づけることが出来た。また二つ目のテーマにおける詩人としての石工像を特徴付けることが出来た。

  • Research Products

    (1 results)

All 2006

All Journal Article (1 results)

  • [Journal Article] Self-identification through Poetics : A Study on the Two Defences of Sidney and Shelley2006

    • Author(s)
      Kei Nijibayashi
    • Journal Title

      Bulletin of the Kyushu Institute of Technology 54

      Pages: 1-9

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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