2005 Fiscal Year Annual Research Report
バーナード・リーチの生涯と芸術に関する比較文化的研究
Project/Area Number |
17720065
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
鈴木 禎宏 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (80334564)
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Keywords | バーナード・リーチ / 民芸運動 / イギリス / スタジオ・クラフト / 陶芸 / 比較芸術 / 比較文化 |
Research Abstract |
研究計画に従い、資料の蒐集と整理を中心に研究を行った。 国内では7月25日から29日までと、9月27日から10月2日まで、岡山県と兵庫県を中心に調査を行った。バーナード・リーチとゆかりのある酒津窯、酒津堤窯、酒津榎窯、羽島焼等を訪れた。特に、リーチと親交のあった呉服商「はしまや」の楠戸恵子氏にお話を伺えたこと、大原美術館初代館長の武内潔眞のご遺族のお宅で関係資料を拝見できたこと、リーチ・ポタリーで働いた経験をもつ、丹波立杭の陶芸家、市野茂良氏のお話を伺えたことは貴重であった。その結果、リーチが日本国内め諸勢力の狭間でどのように行動したり利用されたりしていたかが徐々に見えてきた。 一方、12月9日から22日まで、イギリスで調査を行った。セント・ドミニク・ギルドの第3世代の工芸家エヴァン・クレイトン氏のご案内のもと、ディッチリング・ミュージアムで貴重な資料を拝見した。また、ロンドンのクラフツ・カウンシルで最近の研究動向を調べたり、移転を果たしたファーナムのクラフツ・スタディ・センターを訪れたりした。クラフツ・スタディ・センターについては、先方のスタッフとの日程調整の不調によりあまり多くの時間を割くことができなかったが、このセンターが所蔵する資料の質と量を再認識した。同センターについては再調査の必要性を痛感している。 資料の調査・収集に比して、それらの整理・分析は滞りがちであるが、それでもお茶の水女子大学の学生の協力により、テープ起こしなどの作業は地道に継続している。 平成18年3月に、これまでの研究をまとめた著作『バーナード・リーチの生涯と芸術』をミネルヴァ書房から出版することができた。これを一つの契機として、さらに研究を深化させていきたい。
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Research Products
(2 results)