2005 Fiscal Year Annual Research Report
音声コーパスを用いた対話と独話の比較-韻律的・統語的特徴に着目して-
Project/Area Number |
17720097
|
Research Institution | The National Institute for Japanese Language |
Principal Investigator |
小磯 花絵 独立行政法人国立国語研究所, 研究開発部門, 研究員 (30312200)
|
Keywords | 音声コーパス / 自発音声 / 独話 / 対話 / 韻律 / 統語 |
Research Abstract |
本研究の目的は,『日本語話し言葉コーパス』に基いて対話と独話の比較を行ない,両者の類似点・相異点を定量的に明らかにすることである。具体的には次の3つを目指す。 1.音声的・韻律的特徴,統語的特徴,その他の特徴(フィラーなど)など様々な要素に着目して分析を行ない,対話と独話の発話スタイルの類似点・相異点を多角的に解明する 2.類似点・相異点の傾向が一般的な性質を有するか個人的な傾向に留まるかを明らかにする 3.相異点に着目し,その原因を相互作用や自発性の観点から探る 上記目的に対し,本年度はデータの作成と予備的分析の2つを行った。詳細は以下の通りである。 1.データの作成:上記コーパスには,必要とする韻律・統語情報のラベリング(人手による高精度のラベリング)がごく一部にしか施されていないため,約5時間のデータに対し,以下の3つの作業を行なった。作業は,原則として上記コーパスの規準に準拠した。 (1)形態素情報のラベリング(自動解析結果の手修正) (2)分節音情報(母音や子音などの情報)のラベリング (3)韻律情報(アクセントや句末音調などの情報)のラベリング 2.予備的分析:ラベリングの妥当性の検証も兼ね,予備的分析を行なった。ここでは,韻律的特徴(句末境界音調)に着目し,対話と独話に関する定量的な比較データを得た。またこのような比較調査が,従来の対話あるいは独話だけに着目した話し言葉研究に対し,いかなる知見を提供することができるかを評価するために,研究代表者が過去に行った研究を取り上げ,その再考察を行った。以上の研究成果について,学会にて発表を行った。
|
Research Products
(1 results)