2006 Fiscal Year Annual Research Report
近世中後期から近世近代移行期の北日本における芸能文化の基礎的研究
Project/Area Number |
17720167
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Research Institution | History Museum of Hokkaido |
Principal Investigator |
三浦 泰之 北海道開拓記念館, 学芸部, 研究員 (50300843)
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Keywords | 日本近世史 / 幕末維新史 / 芸能文化史 / 都市史 / 都市文化史 / 旅芸人 / 芸能興行史 / 身分的周縁論 |
Research Abstract |
本研究課題では、近世中後期から近世近代移行期における北海道・東北・北陸(以下、北日本と呼ぶ)の各地域で行われた芸能興行について基礎的なデータを集積し、芸能者・芸能集団の移動とそれぞれの地域における興行主の動向や存在形態及び興行主間のネットワークに着目することで、当該期の北日本に展開した芸能興行をめぐる政治的・社会的・文化的な状況を明らかにすることを目的としている。本年度は、前年度の調査で重要性を把握した青森県内に重点を置いて調査を進めた。具体的な内容は以下の通りである。 1、前年度に引き続いて、弘前藩庁の日記である『弘前藩御国日記』(弘前市立弘前図書館所蔵)の記載から、弘前藩領内における芸能興行に関わる内容を抽出し、データベース化を実施した。具体的には、城下町弘前における興行主の動向や、弘前藩領を往来した、松前・秋田・仙台・江戸などに出自をもつ旅芸人の存在形態を具体的に示す史料を収集した。同日記は、寛文元年(1661)から元治元年(1864)の間、全3300冊余が残されているが、本年度は、寛文期から元禄期、文化文政期を中心とする822冊について調査を実施した。 2、『酒田市史』資料編など、山形県内にある芸能興行関係史料について所在調査を実施した。 3、前年度に引き続いて、北海道立文書館所蔵の開拓使文書に含まれる、近代初期の松前や江差、函館などにおける芸能興行関係史料を対象に、近代初期の北海道における芸能興行、特にそれを担った芸能者・芸能集団の具体的な事例について、データベース化を進めた。
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Research Products
(3 results)