2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730027
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
正木 宏長 立命館大学, 法学部, 助教授 (30388079)
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Keywords | 行政契約 / 水道 |
Research Abstract |
本研究は水道法を題材として、行政法学における行政契約論を検討するものである。昨年度は水道法制と水道水絵水拒否について日本とアメリカについて比較研究を行ったが、本年度は水道事業の民営化について検討した。 水道の民営化としては、水道法の業務委託によるものや地方自治法の指定管理者制度によるものがある。また民営化の形態についても施設単位で民営化する場合と水道事業全体を民営化する場合がある。指定管理者制度による民営化については既に高山市で導入が実行されている。それぞれ民営化形態について業務委託契約の内容や指定管理者と自治体との協定の性質といった法的間題点は生じるが、民営の水道事業の場合と対比しつつ、次年度以降考察を行っていく予定である。 また利用者との関係でも水道水給水契約の法的性質が間題となる。水道水給水契約の法的性質について、水道事業の民営化は従来の行政契約論に再考を促す題材を提供する。水道水給水契約については、公法契約に当たるか私法契約に当たるかという議論が古くから存在するが、こういった議論も再検討される必要がある。例えば公営水道の水道水給水の拒否の場合についても平等原則への違反が問題となるが、これが民営化された水道の場合、憲法の私人間適用が間題となるだろう。 水道事業の民営化は諸外国でも行われている。そこで諸外国の研究成果の検討も次年度の課題としたい。
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