2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730221
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
山本 千映 関西大学, 経済学部, 専任講師 (10388415)
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Keywords | 数量経済史 / 生活水準 / 貧困 / 犯罪 |
Research Abstract |
本年は実施年度の第一年目であり、主として史料の収集とその解読に焦点を絞って研究を行った。具体的には、平成17年8月1日から24日にかけて、英国ロンドンの国立公文書館(National Archive)と、スタッフォードシャー州文書館を訪れ、前者では、巡回裁判(Assize)の起訴状を、後者では、州の裁判所である四季裁判所の記録、および地方教区における救貧関連資料の閲覧、デジタルカメラ撮影、コンピュータヘの入力を行った。 国立公文書館では、巡回裁判と呼ばれる重犯罪を扱った裁判所の記録を、主としてノートPCに直接入力した。扱ったのは起訴状(indictments)で、被告・原告(被害者)の氏名、犯罪が行われた場所、犯罪の種類、被害状況が書かれているが、欄外には評決(有罪か無罪か)と判決も書き込まれている。 スタッフォードシャー州文書館では、より軽微な犯罪を扱った四季裁判所の資料をデジタルカメラで撮影した。撮影したのはCalendar of Prisonerと呼ばれる資料で、スタッフォードシャー四季裁判所で扱われた犯罪について、被告の氏名、年齢、犯罪の種類、判決等が記載されている。現存しているのは、1777年から1860年までについてで、1,900頁を超える資料となっている。また、救貧関係の資料としては、救貧資格審査(settlement Examinations)の記録をデジタルカメラで撮影した。1834年にいたるまで、貧困者の救済は教区と呼ばれる行政単位が担当していたが、スタッフォードシャーのCannockという教区について、救貧を受けようとする者に対する救貧資格審査の資料が1780年代から19世紀初頭にかけての部分が現存していたので、こちらを撮影した。 現在は、これらの資料の整理、読解、データベース化を進めているところである。
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