2006 Fiscal Year Annual Research Report
わが国におけるコーポレート・ベンチャーの導入および実践に関する研究
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17730243
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Research Institution | Hakuoh University |
Principal Investigator |
飛田 幸宏 白鴎大学, 経営学部, 講師 (40341771)
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Keywords | コーポレート・ベンチャー / 社内ベンチャー / スピンオフ / コーポレート・ベンチャー・キャピタル / インキュベータ / 新規事業創造 / 母体企業 |
Research Abstract |
本研究課題の第2年度目にあたる平成18年度は、前年度に引き続き、コーポレート・ベンチャー(以下CV)に関する国内外の書籍や学術論文などの文献研究を深めるとともに、日本企業におけるCVの実態に関する調査研究を進めた。その過程で、本年度は特に、1. CVの既存企業におけるインキュペーション機能としての役割、2. CVを支援する母体企業の役割に注目した。これらの役割を検討するうえで、ベンチャー企業とそれを支援するインキュベーション施設すなわちインキュベータの役割から有用な示唆が得られると考え、インキュベータに関する文献研究とともに、インキュベータへのインタビュー調査を実施した(平成18年10月、米国シカゴにあるインキュベータへのインタビュー調査)。 これまでの調査研究から、CVが有効に機能するためには、1. トップ・マネジメントによるCV支援の意思表示の企業全体への提示、2. CVを奨励する組織文化の醸成、3. CVに携わる人材への大幅な権限委譲と自由な事業運営など、CVを支援する環境やインフラを整備することが母体企業の役割として重要であることが明らかになった(研究成果参照)。 既存企業内におけるCVの役割、およびCVに支援を提供する母体企業の役割については、次年度の研究課題として調査研究を継続していく計画であるが、それとともに、ベンチャー企業にく支援を提供するインキュベータの役割に関する研究を進め、それが日本企業におけるCVの導入、および母体企業による支援に適用できるかその可能性を探り、既存企業におけるCVの包括的・体系的導入による新規事業創造の体系化を図りたいと考えている。
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