2005 Fiscal Year Annual Research Report
監査人の外見的独立性への影響要因:財務情報利用者と監査人の視点からの実験研究
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17730281
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
福川 裕徳 長崎大学, 経済学部, 助教授 (80315217)
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Keywords | 公認会計士監査 / 外見的独立性 / 監査報酬 / 実験研究 |
Research Abstract |
本研究は,監査人の外見的独立性がどのような要因によって影響を受けるのかという点について,近年の関連制度の改正も踏まえ,実証的に解明することを目的としている。本研究では,必要なデータを公表財務情報の利用者及び監査人自身を対象として実施する2つの実験を通して入手する。したがって,本研究の第1段階として,この実験を行うためのケースを作成することが必要である。具体的には,本実験では監査報酬額(高い場合-低い場合)とガバナンス形態(監査役会-監査委員会)を操作した2×2デザインを採用するが,本研究が成功するか否かは優れたケースを作成することができるかどうかにかかっているといっても過言ではない。本年度においては,本実験において操作する変数の具体的内容を検討するとともに,実験に参加していただける監査法人に所属する数名の公認会計士の協力を得て数回にわたる打ち合わせを行い,ケースを作成した。今後,パイロットテストを行い場合によってはケースの字句・表現等の修正が必要になるものと思われるが,内容的にはすでに現実的かつ実施可能なものとなっている。 また,監査人の外見的独立性への影響要因を扱った既存研究を包括的にレビューし,外見的独立性に影響を与えると考えられてきた要因としてどのようなものがあるのかを把握した。識別されたこれらの要因を,作成したケースにおいて統制変数として組み込んだ。 さらに,そもそも監査人の独立性がなぜ必要とされるのかという点を明確にするための準備的作業として,財務諸表監査における監査人の役割を,監査によって保証される財務諸表の質の観点から検討した。
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Research Products
(1 results)