2005 Fiscal Year Annual Research Report
沿岸地域の過疎化と社会高齢化が水産資源利用に与える影響に関する研究
Project/Area Number |
17730299
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
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Keywords | 海洋利用 / 資源管理 / 制度史 / 高齢化 / 過疎化 / 遠隔地域 / 民俗学 / 社会学 |
Research Abstract |
本研究の目的は日本国遠隔地域、特に沿岸において顕著である高齢化・過疎化と一般に名付けられている社会現象が周囲の自然資源利用にどのような影響を与えているかを調査および分析し、今後のソーシャルエンジニアリングや制度的対策作りに幅広い意味での「民俗学的」なアプローチを用いることを試みることである。二年間にわたる本研究の構造は大きく(a)「情報収集」(b)「分析」(c)「まとめ」の三段階からなっており、現時点では(a)から(b)への段階にある。 具体的には(a)情報収集を三陸沿岸、沖縄などで行ったが、比較対象地域および業務地近辺にある田沢湖周辺の山地も視察の対象とした。次年度は、秋田県北能代市などを含む地域を対象に収集を続けるつもりであるが、主要データは既に収集出来た。 (b)の分析段階においては平成17年末から学生によるアルバイトを通して積極的に文献・映像資料をデジタル化・整理をした結果、現在まで約600に及ぶ資料(関係分野の歴史料を含む)をスキャンする事ができた他、最新の映像処理用の機材を使った事により自身の撮影資料以外に貴重な地元のビデオフッテージ等も収集・処理できた。 なお、平成18年3月の休講期間を利用して欧州の専門家(オスロ大学カラン教授、及びIFM国際漁村開発研究所員デラーニー婦人、ボン大学クライナー教授)等と研究に関する諸問題を深く追求する事が出来、今後の研究に大きく役立つものであった。なお、欧州における活動のスピンオフとして平成19年3月中旬にオスロ大学主催で予定されているJAWS(日本人類学研究会)にて本研究に携わる専門的パネルを主催する事になったほか、研究成果を本年度9月にボン大学が主催する独語圏日本文化研究学会においても発表が決まった。これらのフォーラムを通して日本沿岸社会の現代的諸問題を国際的専門家に伝達できると願う。
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