2005 Fiscal Year Annual Research Report
2003年7月九州豪雨災害に関する都市-環境社会学的研究
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17730330
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
室井 研二 香川大学, 教育学部, 助教授 (20310013)
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Keywords | 災害 / 都市 / 社会学 / 防災 / コミュニティ / 環境 |
Research Abstract |
1.福岡県太宰府市国分区と飯塚市飯塚地区を対象にヒアリングを中心とした実地調査を行い(各4回)、両地区の被害と対応に関する情報収集につとめた(熊本県水俣市については、1度現地視察を行ったが、諸般の事情から調査対象地に加えることは断念した)。新興住宅地(国分)と中心市街地(飯塚)という地域性の差異に対応して、被害や対応のあり方、復興のための社会経済的条件に関して顕著な差異を見出すことができた(近々、報告書にまとめる予定)。 2.災害復興や防災の問題は、狭義の災害復旧・防災事業だけでなく、当該地域の既存の地域課題と関連づけて幅広い視点から捉える必要があると考え、国分区については「混住地域におけるコミュニティ形成」、飯塚地区については「中心市街地の空洞化と活性化」といった地域課題に注目することにした。この点に関する情報収集に努め、太宰府市(国分)については「2003年九州水害の社会学的研究(1)-太宰府市における開発とコミュニティ-」と題する報告書にまとめた。 3.災害社会学、都市社会学、環境社会学の関係について文献的研究を行い、その一応の成果を「災害の都市社会学と環境社会学」と題する論文にまとめた。 4.来年度は、コミュニティ調査と災害調査を一体化したような内容の質問紙調査(「防災とコミュニティに関する意識調査」)を実施し、防災の地域的条件に関する理解をさらに深めていく予定である。そのため、調査経験の豊富な都市社会学者と災害社会学者から専門的知見の提供を受けて調査票の作成に取り組み、完成させた。また、調査対象者のサンプリングに必要な選挙人名簿の閲覧について、両市の選挙管理事務局に申請を行い、許可を得ることが出来た。
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