2005 Fiscal Year Annual Research Report
青年期の対人関係におけるヤマアラシ・ジレンマの発達的変化
Project/Area Number |
17730381
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
藤井 恭子 愛知教育大学, 教育学部, 助手 (40362305)
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Keywords | ヤマアラシ・ジレンマ / 青年期 / 友人関係 / 異性関係 / 個の発達 / 内省傾向 |
Research Abstract |
Gilligan(1982)以降,男性と女性とではアイデンティティ発達の経路が異なることが指摘されてきている。今年度は,この個の発達に対して及ぼす青年期の対人関係におけるヤマアラシ・ジレンマの影響を探った。友人関係・異性関係それぞれにおけるヤマアラシ・ジレンマ,アイデンティティ達成,内省傾向の4つの程度について,大学生約500名から回答を求め,現在分析中である(高校生のデータ,および大学生と大学院生のデータもさらに補充する予定)。2006年度に学会発表・論文作成を予定しているが,以下の点について特に検討を行う予定である。 1.ヤマアラシ・ジレンマが生じやすい対人関係は,女性と男性とで異なるか。 2.男性のほうが女性より早期に「個」を中心としたアイデンティティを達成するといわれているが,その程度とヤマアラシ・ジレンマの関係はどのようになっているのか。 3.内省傾向とヤマアラシ・ジレンマの関係はどのようになっているのか。 以上の点を中心にしながら,ヤマアラシ・ジレンマに影響を及ぼすのはアイデンティティの達成程度なのか,内省しやすさという性格傾向なのか,「個」の側面を検討する。そして,青年期の中核的な対人関係である友人関係・異性関係において生じるヤマアラシ・ジレンマに性差が想定されるか,検討する。つまり,いかに対人関係においてヤマアラシ・ジレンマと向き合い,「個」を確立へと方向付けられるかについて,男性と女性の独自の発達経路があるかを明らかにするものである。
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