2005 Fiscal Year Annual Research Report
病初期のADに対する心理リハビリテーションプログラムの開発と検討
Project/Area Number |
17730399
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
松田 修 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (60282787)
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Keywords | アルツハイマー病 / 認知リハビリテーション / 認知症 / 認知障害 / 心理リハビリテーション / リハビリテーション / 非薬物療法 / 記憶障害 |
Research Abstract |
本研究の目的は、病初期のAlzheimer病(AD)患者を対象に、記憶障害に焦点を当てたリハビリテーションプログラムを開発し、その短期的および長期的効果を検討することである。 対象は、NINCDS-ADRDAのprobable ADの診断基準を満たす患者(37人)である。日本語版COGNISTATをはじめとする神経心理学的検査から得た認知機能プロフィールにより、患者の残存機能と障害された機能を明確にし、残存機能によって障害機能を代償することを意図した認知リハビリテーション(以下:認知リハ)を心理教育的配慮のもとで行った。 認知リハと抗認知症薬(塩酸ドネペチル5mg/日)を組み合わせたcombined treatment(CT)群(17人)、抗認知症薬のみによる治療を受けたtreatment(T)群(13人)、いずれも受けなかったcontrol(C)群(7人)の1年間のMMSEの成績を、3(群)×2(事前・事後)の分散分析で比較し、短期的効果を検討した。その結果、有意な交互作用が認められた。単純主効果検定の結果、CT群にはMMSE得点の有意な変化はなかったが、その他の2群の得点は有意に低下した。効果量(事後平均-事前平均/事前標準偏差)を算出すると、CT群(0.08)が最も高く、次いで、T群(-0.81)、C群(-1.29)の順であった。 認知リハ開始後56ヶ月を経過した患者の縦断的データに基づく事例検討によって、長期的効果を検討した。その結果、認知リハ開始6ヶ月後、日本版WMS-Rの言語性記憶指標は正常範囲に回復した。その後徐々に低下したが、開始後52ヶ月の時点でも、開始前の水準を上まわった。 これらの結果から、病初期のAD患者に対する心理リハビリテーションが、ADに対する新たな治療的取り組みのひとつとなりうる可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)