2006 Fiscal Year Annual Research Report
軽度発達障害者への重要な他者との関係の形成による支援と特別支援を行う機関との連携
Project/Area Number |
17730410
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
浦崎 武 琉球大学, 教育学部, 助教授 (20331613)
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Keywords | 重要な他者との関係 / 関係形成による支援 / 適応支援 / アスペルガー症候群 / ADHD / 高機能広汎性発達障害 / 学生による支援 / 臨床実践研究 |
Research Abstract |
1.軽度発達障害者との重要な他者との関係形成による小学校での不適応の改善に関する臨床実践研究 広汎性発達障害者と重要な他者との関係性について研究を行った。ある小学校に特別な役割をもった学生を広汎性発達障害者の支援者として派遣することにより、関係の形成による支援の影響について検討を行った。今回の研究の対象児は小学3年生(9歳)の男児であった。診断はアスペルガー症候群であり、教室にじっとして居られない、他児に暴力や暴言を吐くなどの不適応行動が見られた。学校関係者も対応に困っているということから支援が必要となった実践事例である。そこで、その児童に大学4年生2人、大学院生1人の支援学生を派遣して、重要な他者との関係性の変容について詳細に記述し、支援の効果について考察した。関係形成による支援により学校における適応が促進されたことが示唆された。そのうち大学学部生が支援者として関わった一事例については、論文(琉球大学教育学部障害児教育実践センター紀要、第8号)にまとめた。 2.軽度発達障害者とのプレイルームにおける重要な他者との関係形成による自己肯定感の獲得への臨床実践研究 プレイルームにおいて学部学生が重要な他者としてADHDと診断された児童との関わりをもった。筆者は母親面接を通して母親からの情報によりその関係性の変容について考えた。関係性を形成し、支援することを通してADHDと診断された子どもの自己肯定感が変容していくことが分かった。この変容過程についての研究は平成19年度に再度、検討を加えて論文にまとめる予定である。 3.軽度発達障害児者への重要な他者との関係の形成による支援と特別支援を行う機関との連携についての臨床実践研究 1.2で述べた臨床実践による研究により、重要な他者の存在が与える支援についての検討を再度、行うとともにそのことを行っていく上での機関、ここでは学校との連携による影響についてもあわせて研究する予定である。
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Research Products
(1 results)