2005 Fiscal Year Annual Research Report
バウムイメージとの新たな心理臨床的関わりを探索する開発的研究
Project/Area Number |
17730414
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
鶴田 英也 梅花女子大学, 現代人間学部, 講師 (60346096)
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Keywords | バウムテスト / 地下描写・地上描写 / 根っこ / コスモロジー / 視点 |
Research Abstract |
1、京都芦生原生林、ミュンヘン、スリランカ、沖縄などで、樹木の特に根っこに関する写真を撮影した。特にスリランカは逆さまの木のモチーフが伝統的にある地域であるが、その根拠のひとつと思われるインドボダイジュなどの気根を撮影し、まさに天から木が生えているイメージをとらえることができたのは収穫であった。また、沖縄においては、マングローブ林のヒルギやサキシマスオウの木を撮影し、支柱根や板根と呼ばれる根が、時に幹や枝以上に表情豊かに生えている様子をとらえることができた。 2、樹木の生態、文化人類学、あるいは絵画(特に東山魁夷とピート・モンドリアンの樹木画)に関する資料を収集した。それらの資料を検討することによって、バウムを描く視点、あるいは見る視点の二重性、すなわち横から見る視点と上から見る視点、そしてそれらを包括するバウムのコスモロジー、また境界としてのバウム、鏡としてのバウム、バウムの余白を地・無意識・魂ととらえる視点といった、本研究の今後の骨子となるべき重要な発想を得ることができた。また、ピート・モンドリアンの樹木画はコスモロジーという見地からバウムについての豊富な見解をもたらしうるものと考えられ、またヨーロッパのモダンからポストモダンへの移行を示す格好の素材と思われるので、今後も検討を続ける予定である。 3、青年期女子のバウム(梅花女子大学)、沖縄の思春期男女のバウム、沖縄の青年、老人のバウムを集団法や個人法で収集した。それらの指標化については来年度に進める予定である。
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