2005 Fiscal Year Annual Research Report
デューイ教育学と多文化協同社会:子どもの多様なニーズに応じる補償理論・実践の形成
Project/Area Number |
17730445
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
千賀 愛 北海道教育大学, 教育学部岩見沢校, 助教授 (10396335)
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Keywords | G.S.ホール / 児童研究 / デューイ実験学校 / ジョン・デューイ / 特別な教育的配慮 / アメリカ特別教育史 |
Research Abstract |
本研究は多文化協同社会の形成に向けた子供の多様なニーズに応じる補償理論・実践を明らかにすることを目的として、平成17年度は、(1)画一的な教育課程や過大学級の問題から生じるニーズへの対応、(2)子どもの発達の問題から生じるニーズへの対応に関する補償理論・実践に関する歴史的検討を行った。 (1)画一的な教育課程や過大学級の問題から生じるニーズへの対応に関して下記の2本の論文検討を行った。 「米国における義務教育普及と特別な教育的配慮の史的研究-19世紀中葉以降の東部諸州の動向を中心に-」 「アメリカ特別教育史の到達点と課題:理論枠組みと方法論を中心に」 19世紀半ばから後半にかけて増加した移民子弟や都市部の貧困問題を抱える児童に対して、当時の公立学校がどのような対応を行っていたのか、また多様なニーズに対するソーシャル・ワーク、セツルメント活動、学校心理などの関連領域との関係・連携の取り組みを検討した。 (2)子どもの発達の問題から生じるニーズへの対応に関する補償理論・実践に関する歴史的検討では、ジョン・デューイの児童研究と実験学校の実践の分析を行い、下記の論文をデューイ学会で発表し、その後の修正を経て論文を執筆した。 「デューイの児童研究と実験学校における特別な教育的配慮の課題」 デューイの1890年代前半から1900年にかけての児童研究は、子どもの個人差や発達の差異に対してどのような視点でとらえていたのか、子どもの発達的ニーズを教育学的課題として包括して位置づけた経緯を検討し、合わせて同時期のデューイ実験学校の実践史料(Work Reports)に基づく比較分析を行った。
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