2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17730483
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Research Institution | Musashi University |
Principal Investigator |
中西 祐子 武蔵大学, 社会学部, 助教授 (90282904)
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Keywords | ジェンダー / 学校 / 職場 / ハラスメント / 人間関係 / 学生アルバイト |
Research Abstract |
本年度主として行ったことは、(1)国内外の関連図書・資料の収集、(2)学生を対象にした予備的質問紙調査、(3)国内外の学会への参加と関連先行研究・情報の収集である。 (1)関連図書・資料の収集については、ジェンダーの社会学、相互行為論、エスノメソドロジー、セクシュアルハラスメント、教育社会学、職業の社会学、フェミニズム理論などに関連した図書・資料を収集した。これについては、最新情報も含め、来年度も引き続き行っていく。 (2)予備的質問紙調査では、大学生約300人を対象に、職種などを含めた職業(アルバイト)経験とともに、職場において、また大学において、ジェンダーやセクシュアリティに関連して不快になりうる人間関係(「自分の異性関係を話題にされた」「性的なジョークを聞かされた」など)を経験したことはないか、経験があった場合その相手は誰であったか、簡単な調査を行った。調査の目的は、経験率と、どのような体験が多いのかを調べるとともに、a)相手との間の身分の上下関係はないか、b)(とりわけ女子の場合)職場で「女性らしさ」が要求されることとジェンダーやセクシュアリティに関連した不快な人間関係の経験率に関連がないか、をまずは確認することにあった。 その結果、上記のような体験は、上司や先輩など、身分が上位の者から受ける割合が多いことが分かった。また、これまで飲食店関係(レストラン、ファストフード、居酒屋など)でアルバイトをした経験のある者ほど、上記のような体験をした者が多いことも明らかになった。今回は表面的な調査であったが、これらの詳細については、来年度インタビュー調査でより深層な調査を行う予定である。 (3)学会参加については、日本社会学会、Comparative International Educational Society(比較国際教育学会)に参加し、後者では学校教育とジェンダー形成について報告するとともに、両学会を通じてジェンダーと学校、ジェンダーと職業、フェミニズム理論に関連して現在行われている研究の情報を収集した。また、学会時、その他を通じて、国内外の関連領域の研究者と意見交換をしたり、研究内容や調査方法へのコメントをもらったりした。
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