2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17740044
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
宇野 力 秋田大学, 教育文化学部, 助教授 (20282155)
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Keywords | 逐次解析 / リグレット / 停止規則 / 平均標本数 |
Research Abstract |
逐次解析(sequential analysis)の以下の二つの問題について研究を行った。 1.逐次点推定における最小リスク問題については、標本平均を用いて母平均を推定するとリグレット(regret)が負になる場合がある。このような場合においては、標本平均以外の推定量を用いて、それに対応する停止規則(stopping rule)を与えることが対応策として考えられるが、これまで具体的に示すことができなかった。小池・赤平(2007)は非正則な位置尺度母数分布族に対して、位置母数の逐次区間推定方式を与えた。標本平均ではなく順序統計量に基づいて固定幅の信頼区間を構成すると、分布の端が急激な場合はChow and Robbins(1965)が標本平均に基づいて構成した純逐次法よりも平均標本数(average sample size)が少なくて済む。この考えを逐次点推定に取り入れれば、標本平均を用いるとリグレットが負になる場合に対して、平均標本数を改善することが期待される。本研究では、このような場合に対してメディアン推定量がひとつの候補になるという知見を得た。 2.逐次区間推定における信頼区間の被覆確率が信頼度1-αに収束する速度については、母平均の推定の場合はわかっている。また、母平均以外の母数の推定については、指数分布の場合には先行研究がある。そこで、指数分布ではない場合に対して被覆確率の収束速度の問題について研究を行った。ノンパラメトリックな解析方法を取り入れることによって、ある種の分布族に対してこの問題を解決する指針を得た。
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Research Products
(1 results)