2006 Fiscal Year Annual Research Report
代数的符号理論における符号の一般化重みとその応用に関する研究
Project/Area Number |
17740065
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Research Institution | Aichi Prefectural University |
Principal Investigator |
城本 啓介 愛知県立大学, 情報科学部, 助教授 (00343666)
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Keywords | 線形符号 / 一般化ハミング重み / マトロイド / 組合せデザイン / 重み多項式 |
Research Abstract |
当初の研究実施計画に基づいて,本年度はマトロイドに対する符号理論的アプローチの基点となる拡張重み多項式の研究および線形符号の部分符号から構成される組合せデザインに関する研究を行った. 具体的な研究結果は,以下の通りである. 1.前年度に実施した符号の重み多項式のマトロイドへの拡張から得られた拡張重み多項式を考察することで,与えられたマトロイドがどの有限体上の行列から構成できるか,というマトロイドの表現問題を符号理論的視点から考察を試みた.一般的な理論付けを行うために,本年度は具体的に2元体及び3元体上の自己双対マトロイドに限定し,上記の多項式の計算を行い,各マトロイドの新たな特徴づけを行った.次年度以降には,これらの計算結果をもとに理論的考察を深めて行きたいと考えている. 2.従来のAssmus-Mattsonの定理は,線形符号の符号語から組合せデザインを構成するための十分条件を与える定理であるが,符号語に代えて部分符号から新たに組合せデザインを得る手法を考案した.つまり,特定な一般化ハミング重みを持つ部分符号の集合をブロックの集まりとみなし,様々な符号(特に自己双対符号)から新たな組合せデザインを構成する定理を得た.さらに,この定理を用いることで,既知の自己双対符号から新たなパラメータを持つ組合せデザインが数個構成できた.次年度以降は,この考え方をマトロイドへ拡張することでさらなる組合せデザインの構成法について考察を深めたいと考えている.
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