2005 Fiscal Year Annual Research Report
荷重付きディリクレ空間上のハンケル作用素及びテープリッツ作用素の解析
Project/Area Number |
17740074
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Research Institution | Otaru University of Commerce |
Principal Investigator |
米田 力生 小樽商科大学, 商学部, 助教授 (70342475)
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Keywords | 関数解析 / 関数論 / ベルグマン空間 / ブロック空間 / 積分作用素 / 合成作用素 / テープリッツ作用素 / ハンケル作用素 |
Research Abstract |
複素平面上の開単位円板上で正則な関数からなる空間にベルグマン空間とハーディー空間がある。それら二つの空間を一般化した空間が荷重付きディリクレ空間である。本研究の目的は、荷重付きディリクレ空間上で、積分作用素及び合成作用素の有界性、コンパクト性、及び閉値域を持つ必要十分条件を得ることである。そして、この未解決問題を研究目標の中心に据え、荷重付きディリクレ空間上のハンケル作用素及びテープリッツ作用素の有界性、コンパクト性、及び閉値域を持つ条件の特徴付けに関して、その必要十分条件を得ることが最終目標である。その第一歩として、荷重付きディリクレ空間上で定義される二つの積分作用素が、ハンケル作用素及びテープリッツ作用素とかなり似通った性質をもつということに着目し、それら二つの(特殊な)積分作用素の解析を行った。具体的には、荷重付きディリクレ空間上で定義される二つの(特殊な)積分作用素の有界性、コンパクト性、及び閉値域を持つ条件に関しての解析を行い、幾つかの成果を上げることに成功した。これらの研究成果は、今年度複数の研究集会において発表し、更に吟味を重ね、現在専門誌に投稿中である。 一方、ハーディー空間上のハンケル作用素の有界性と関係付けられる空間がBMOAであり、ベルグマン空間上のハンケル作用素の有界性と関係付けられる空間がブロッホ空間であるが、最近の研究で(荷重付き)ブロッホ空間上における積分作用素(ハンケル作用素とかなり類似した性質を持つ)がいつ閉値域を持つのかに関する特徴付けに成功し、そこで得られた結果は、現在投稿中であり、更に、その対となる積分作用素(テープリッツ作用素とかなり類似した性質を持つ)についても特徴付けを行い、そこで得られた結果も、今年度、多数の研究集会で発表し、更に吟味を重ね、専門誌に投稿中である。そして、それらの積分作用素の特徴付けを応用し、荷重付きディリクレ空間上でそれらの積分作用素が閉値域を持つ必要十分条件に関する研究を行い、一定の成果を得た。そこでまとめた結果は学術論文として現在投稿中である。現在、更に吟味を重ね、荷重付きディリクレ空間上におけるハンケル作用素、テープリッツ作用素及び合成作用素に応用する研究を進めていて、幾つかの成果を得ている。これらに関する研究結果は、専門誌に投稿する予定である。
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