2006 Fiscal Year Annual Research Report
カペリ型恒等式とリー環の普遍包絡環、重複度自由表現の研究
Project/Area Number |
17740080
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
伊藤 稔 鹿児島大学, 理学部, 助教授 (60381141)
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Keywords | カペリ恒等式 / 二項型多項式列 / シューア多項式 / リー環の普遍包絡環 / 非可換行列式 |
Research Abstract |
古典リー環の普遍包絡環のカペリ型の中心元の構成に関する論文を2篇書き、投稿した。 一方は直交リー環の普遍包絡環の中心元に関するものである。和地輝仁に与えられた中心元についてその中心性の新しい証明を与えた。2種類の非可換行列式による表示の同一性を示すことにより中心性の問題と既約表現における固有値の記述の問題を同時に解決するという興味深い証明方法である。 もうひとつの論文は、同様の結果をシンプレクティック リー環に対しても与えたというものである。すなわち和地輝仁による中心元の類似物を構成し、この元の中心性の問題と固有値の記述の問題を2種類の非可換パーマネントの同一性を示すことによって同時に解決した。行列式ではなく、パーマネントを用いた中心元であるところが面白い。 昨年度に得られた二項型多項式列に付隨するシューア型函数の研究も進めた。これについては現在論文を執筆中である。 二次の特殊線型リー環の3項展開(梅田亨氏によるもの)が、二次の一般線型リー環の普遍包絡環のパーマネント型中心元の2種類の表示の同一性から導かれることを証明した。 昨年度に得られた二項型多項式列に付隨するシューア型函数の研究も進めた。これについては現在論文を執筆中である。 二次の特殊線型リー環の3項展開(梅田亨氏によるもの)が、二次の一般線型リー環の普遍包絡環のパーマネント型中心元の2種類の表示の同一性から導かれることを証明した。 いわゆるquantum immanantに対して、その取り扱いをする新しい手法を得た。これによってquantum immanantの中心性、幾つかの表示の同一性、さらにhigher Capelli identityの新しい証明をすることができる。現時点では、一般線型リー環の普遍包絡環やその表現の研究にしか通用しないが、さらに古典リー環を扱えるように拡張されることが期待される。
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