2005 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロマシニング導波管を用いたTHz帯超電導サイドバンド分離ミクサの開発
Project/Area Number |
17740113
|
Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
浅山 信一郎 国立天文台, 電波研究部, 上級研究員 (60390621)
|
Keywords | 超伝導ミクサ / 導波管回路 / マイクロマシニング |
Research Abstract |
150GHz波帯にて、超伝導ミクサチップの設計及び一体型サイドバンド分離超伝導ミクサユニットの設計、製作及び性能評価を行った。超伝導チップは、周波数同調回路として2つの超伝導接合をインダクタンスを通して並列に接続した共振回路を採用している。これにより、超伝導接合が構造上持つ大きなキャパシタンスを打ち消している。さらに2組の同一の1/4インピーダン変換回路と超伝導接合を、左右の電極に対称に配置した構造を取り、超伝導接合から見た給電点のインピーダンスを半分にすることで、超伝導接合のインピーダンス整合を行なっている。2つの超伝導接合をつなぐインダクタンスは,トランスフォーマと同様に超伝導ストリップ線路で形成している。超伝導ミクサチップは、国立天文台内のクリーンルームにて製作した。 一体型サイドバンド分離ミクサユニットは、RF帯90°ハイブリッド、LO同位相分配器、LO用方向性結合器、及び4K冷却電波終端を集積している。さらに、ステップ型インピーダンス変換回路を通して超伝導ミクサもユニット内部に集積した。 開発したミクサの受信機性能は、IF:4-8GHz帯で、LO周波数125-163GHzにわたりSSB雑音温度50K以下、サイドバンド比10dB以上を達成しており、同周波数帯のサイドバンド分離ミクサとしては世界最高の部類に属する。この結果、超伝導ミクサチップ及び一体型サイドバンド分離超伝導ミクサユニットのデザインが適切であることが確認された。このミリ波帯での一体型サイドバンド分離超伝導ミクサのデザインを元に、800GHz帯の導波管回路のデザインを行った。導波管回路をD-RIEを行うためにはフォトマスクの作成が必要となるため、フォトマスク作成用CADの導入を行った。
|