2005 Fiscal Year Annual Research Report
ホログラフィー的相関関数に基づく弦理論-ゲージ理論対応の研究
Project/Area Number |
17740142
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
浅野 雅子 大阪府立大学, 総合教育研究機構, 講師 (90378539)
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Keywords | 素粒子論 / 弦理論 |
Research Abstract |
今年度は、研究計画のうち、主に、弦理論の基本的性質に関する研究を行った。ボソン的弦理論の共変的量子化(OCQまたはBRST量子化)を行う場合、理論のゲージ自由度により、物理的状態の基底の表現の仕方に不定性がある。その表現を指定するためには、(共形ゲージによりゲージ固定したあとに残る)ゲージ固定条件を具体的に定める必要がある。今年度の研究で、その条件のうち性質のよいものをパラメーターを用いて明示し、その結果である具体的な物理的状態の表現を系統的に書き下した。こうして求めた表現の中には、よく知られている、DDF状態を用いるものも含まれている。また、新に、時間方向の振動子がまったく含まれないような物理的状態の表現が可能であることを示した。さらに、異なるゲージ固定条件(とそれによる物理的状態の表現)の間のある種の関係を見つけることができた。これらの解析は、時間方向の振動子を完全に消すようなゲージ固定によって弦の場の理論の正準量子化を行う可能性を考察する際の指標となると期待される。以上の結果(の一部)を、論文(裏面の研究成果参照)にまとめた。 以上の研究を実施するにあたり、研究打ち合わせのための出張を何度か行った。また、弦理論全般の研究に関係する会議および研究会に出席し、他の研究者との情報交換や議論を行った。 その他、弦理論-ゲージ理論対応の背景を探るためにいくつかの方向からの考察を進めたが、結果としてまとめるという段階にはまだない。
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Research Products
(1 results)