2005 Fiscal Year Annual Research Report
断層岩の色相と彩度からみた低活動性の断層破砕帯に沿った流体と物質の移動
Project/Area Number |
17740332
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小林 健太 新潟大学, 自然科学系, 講師 (30283005)
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Keywords | 断層岩 / シュードタキライト / 断層ガウジ / 色 / 活断層 / 鳥取県 / 福岡県 / 警固断層 |
Research Abstract |
2000年鳥取県西部地震の余震域とその周辺地域において、前年度までに分布位置や構造の記載、定性的な色相の測定を完了している断層岩を主な対象とした。また、2005年福岡県西方沖地震余震域の南東延長にある警固断層を、新たな調査対象として加えた。 1.2000年鳥取県西部地震の余震域東方にある小町-大谷リニアメント系について、前年度に採取した断層岩の試料を、偏光顕微鏡を用いて詳細に観察した(物品費:偏光顕微鏡一式)。その結果、溶融物の急冷組織を示すシュードタキライトの産出を確認した。これは中国山地から初の報告であり、リニアメント系に沿って地震を伴う断層活動が生じていたことが明らかになった。 2.上記の成果を中心に、地球惑星科学関連学会2005年度合同大会、ならびに日本地質学会第112年学術大会にて発表した(旅費:成果発表)。また、前年度までに得た結果とともにとりまとめ、地質学雑誌に投稿、掲載された(物品費:別刷)。 3.2000年鳥取県西部地震の余震域とその東・西地域において、断層岩(断層ガウジ)の色相と彩度を、測色計を用いて定量的に測定した。現有備品の土色計に加え、より厳密な解析が可能な分光測色計を産業技術総合研究所より借用、併用した。また、警固断層でも同様な測定を行った。その結果、鳥取地域で前年度までに土色計を用いて得ていた値を追認し、赤・橙、灰白-極淡黄、灰白-明緑灰などの色相トレンドを確定することができた。また警固断層では、灰白-明緑灰の色相トレンドが卓越することが明らかになった。 さらに、両地域で断層岩の試料を採取した。現在、それらの硬化処理と構造解析、薄片の作製と偏光顕微鏡下での微小構造の記載を順次進めているところである。
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