2005 Fiscal Year Annual Research Report
金属アミド錯体のリビング低重合を機軸とする鎖状ナノ構造体の精密合成
Project/Area Number |
17750057
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
竹本 真 大阪府立大学, 理学系研究科, 助手 (20347511)
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Keywords | アミド錯体 / ナノワイヤー / 金属クラスター / アミド配位子 |
Research Abstract |
ナノメートルサイズの導線としての応用が期待される鎖状多核金属錯体を任意の鎖長で合成する一般性の高い手法の開発には興味が持たれる。本研究ではカチオン性アミン錯体の脱プロトン化により生成するアミド錯体のオリゴメリゼーションにもとづくアミド架橋鎖状n核錯体(N=2,4,8,16…)の合成を計画した。ペンタメチルシクロペンタジエニル補助配位子をもつイリジウムジクロロ錯体から誘導したジカチオン性イリジウムトリアミン錯体に塩化パラジウムの共存下、塩基を作用させることでカチオン性のアミド架橋イリジウム・パラジウム2核錯体を合成した。X線構造解析を行った結果、2つの金属イオンは2個のアミド配位子によって架橋されており、金属原子間距離は、およそ3.0オングストロームであることが分かった。パラジウム上にはアミド配位子のほかアミンと塩素が配位している。この2核錯体を銀塩で処理してジカチオン錯体としたのち、2度目の脱プロトン化を行うことにより、Ir-Pd-Pd-Irの金属配列を有する4核錯体を合成した。金属-金属間はいずれも2個のアミド配位子によって2重架橋されている。X線構造解析を行った結果、4個の金属中心は直線状に配列されており、金属原子間距離は約3.1オングストロームであることが分かった。同様の手法で、Ru-Pd-Pd-Ru、Ir-Pt-Pt-Ir、およびRh-Pd-Pd-Rhの金属配列をもつ鎖状4核錯体が得られることも明らかにした。以上のことから、カチオン性アミン錯体の連続的な脱プロトン化が直線状の金属配列をもつアミド架橋多核構造を構築するための方法として有効であることが示された。今後、8核、16核などより長鎖の錯体の合成を進めて行く。
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Research Products
(4 results)