2005 Fiscal Year Annual Research Report
3次元微小流体ネットワークを用いたバイオアッセイシステムの構築
Project/Area Number |
17750063
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷 博文 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10271644)
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Keywords | マイクロ分析システム / 3次元微量流体ネットワーク / 生物発光 / バイオアッセイ / ルシフェラーゼ |
Research Abstract |
本年度は,微小流体ネットワーク構造を有する基板のデザインと発光触媒タンパク質ならびに発光センサー微生物の固定化ならびに発光条件の検討を行った。 基板には,2枚のポリジメチルシロキサン(PDMS)シートと1枚のシリコン基板を使用した。PDMSシートにはそれぞれ幅700umの流路を5本ずつ作成し,シリコン基板には5×5に配置した700um角の貫通孔を作成した。シリコン基板を2枚のPDMSシートで挟むことによって微小流体ネットワーク構造を構築させた。シリコン基板の片面にPDMSシートを貼り合せ,もう一面に多孔性のメンブランフィルター貼り合せた状態で,PDMSシート上の流路からルシフェラーゼタンパク質あるいは発光センサー大腸菌と混合したゾル状態のアガロースを導入して流路ならびに貫通孔内部を満たし,低温でゲル化させることタンパク質や大腸菌を固定化できることを見いだした。また,フィルターを剥がした後,もう一枚のPDMSシートを貼り合せ,その流路から基質であるルシフェリンとATPの混合液を導入し,暗箱内のCCDカメラに下に設置することで,貫通孔に固定化されたルシフェラーゼや発光大腸菌との反応により生じる生物発光を観察することができた。さらに,ルシフェラーゼや大腸菌濃度ならびにルシフェリン濃度を変えることで,それぞれの組み合わせに応じた強度の発光を一組のチップから高い再現性で測定することが可能となった。この結果から,スループットの高いオンチップでの生物発光分析が可能であることが明らかとなった。これらの成果を基に,次年度はATP分析やセンサー微生物を用いる生物発光バイオアッセイに応用するとともに,通常とは異なる微小空間における発光反応を速度論的に解析し,本オンチップアッセイの特長を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(2 results)