2005 Fiscal Year Annual Research Report
オレフィンメタセシスを利用するフェノール誘導体の合成
Project/Area Number |
17750082
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
吉田 和弘 千葉大学, 理学部, 助手 (60375607)
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Keywords | オレフィンメタセシス / 閉環 / フェノール / グラブス触媒 |
Research Abstract |
有機化学において,芳香族化合物は極めて重要な役割を持つにもかかわらず,その骨格そのものを合成する反応は極めて例が少ない.特に,フェノール化合物は,医薬品,先端材料物質,工業薬品として幅広く用いられており,これらの真に有用な合成法の開発が強く望まれている.本研究の目的は,近年注目を集めているGrubbs触媒によるオレフィンメタセシス反応を用いることによって,全く新しいタイプのフェノール化合物の合成法を開発することである.本反応が実現すれば,出発原料次第でフェノール骨格に導入する置換基の位置を自由に設計することが可能となり,多様なニーズに対応するフェノール化合物を供給することができると考えられる. さて初年度は,本手法開発の手始めとして,まずは副反応が全く問題とならない分子内反応に焦点をあてて研究を展開した.その結果,鍵となるフェノール化合物の前駆体となるトリエノン基質の合成ルートの一つを確立するに至った.そして,本ルートによって様々な置換様式をもつトリエノンを合成し,これらをGrubbs触媒存在下において閉環することで,当初の目的通り多様性に富むフェノール誘導体を合成することに成功した.本研究計画の大きな利点は,官能基耐性の範囲が極めて幅広いオレフィンメタセシス反応をフェノール化合物の合成に用いているため,保護基の導入,脱保護のステップを必要としないフェノール合成手法を供給できることにある.さらに,メタセシス反応における副反応は観測されず,導入する置換基の位置を自由にコントロールし,検討を行った全ての反応において90%以上の高収率を達成することができた.
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Research Products
(1 results)