2007 Fiscal Year Annual Research Report
金属間協同作用を指向した電子構造制御型二核金属触媒の開発
Project/Area Number |
17750097
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
山中 正浩 Rikkyo University, 理学部, 准教授 (60343167)
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Keywords | アミジン配位子 / 金属触媒 / アミジナート配位子 / 不斉アルキル化反応 / 3成分カップリング反応 / 不斉マンニッヒ型反応 / 密度汎関数法 |
Research Abstract |
本研究は、高精度量子化学計算と合成実験の緊密な連携によって、電子構造制御型二核金属触媒を開発することを目的としている。二つの窒素原子間に電子が非局在化する特異な共鳴構造を有し、置換基を換えることによって二座配位子や架橋配位子として働くアミジンを設計基盤として、類例のない金属触媒を開発した。今年度は、(1)二核亜鉛アミジナート触媒、(2)銅アミジン触媒、及び関連研究として(3)キラルブレンステッド酸触媒による不斉合成反応に関する理論的検討について研究を行った。(1)については、(R,R)-シクロヘキサンジアミンから種々の電子的・立体的修飾を施したキラルビスアミジン配位子を合成し、10mol%のキラルビスアミジン配位子存在下、ベンゾイルギ酸メチルにジエチル亜鉛を加えて不斉アルキル化反応を行ったところ、キラルビスアミジン配位子を用いることで、付加反応が優先的に進行し、中程度のエナンチオ選択性で付加体が得られることを見出した。(2)については、ビスアミジン配位子とヨウ化銅より調製した銅-ビスアミジン錯体を用いて、アルデヒド、アミン、アルキンの三成分カップリング反応を検討したところ、環状構造を有する二級アミンにおいて良好な収率でカップリング生成物が得られることを見出した。(3)については、(R)-BINOLから調製されるキラルリン酸ジエステルによる不斉マンニッヒ型反応について理論的検討を行い、反応がプロトン化を経て進行しており、リン酸エステル部位とイミンの2-ヒドロキシフェニル基が2点相互作用する反応経路が有利であることを見出した。また高エナンチオ選択性発現の原因を解明した。
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Research Products
(9 results)