2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテオミクス基盤技術としてのリガンド-情報分子コンジュゲート創製
Project/Area Number |
17750165
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
野島 高彦 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (00291930)
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Keywords | プロテオミクス / DNA / ペプチド / コンジュゲート / チップ / 生体分子間相互作用 / マスキング / インタフェース |
Research Abstract |
ペプチドをプローブとして用いて特定の蛋白質を検出する手法の開発に取り組んだ. まず,ペプチドを固体表面に保持する手法を開発した.ペプチドの配向を制御しつつ試料の非特異的吸着を防ぐため,ペプチドと固体表面とを化学合成DNAでつなぎとめることとした.そのために短鎖一本鎖DNAの5'-末端にペプチドを共有結合した化合物Peptide-Oligonucleotide Conjugate (POC)を合成した.同時に,このDNA部分と相補的配列のDNAを固体表面に固定しておき,両者を二重鎖形成させることにより,ペプチドを間接的に固体表面につなぎとめることを試みた. 続いて,金表面への非特異的吸着を防ぐ目的で,新しいブロッキング剤APEGを開発した.APEGはポリエチレングリコール分子の両末端にアクリジンを共有結合させた化合物であり,アクリジン環がDNA塩基対間に並行挿入する性質を利用して,POCを足場にポリエチレングリコール層が形成されるものと考えた. POCとAPEGを組み合わせたペプチド保持法の有効性を検証するため,水晶発振子(QCM)を用いて分子構造体形成を追跡した.一本鎖DNAが保持された金チップ上においてPOCが二重鎖形成されるに伴って振動数変化が観測された.さらに,この振動数変化が飽和した段階からAPEGを加えて行ったところ,再び振動数低下が観測された. 十分に振動数が低下した段階で目的蛋白質を与えると,再び振動数低下が観測された.この振動数低下は,ペプチドと相互作用しないことがわかっている別の蛋白質を加えた際には観測されなかった.以上から,金チップ上においてPOCとAPEGを組み合わせた構造体を用いることによって,ペプチド-蛋白質相互作用を特異的に観測可能であることが示された.
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Research Products
(6 results)