2005 Fiscal Year Annual Research Report
焼結材料の延性モード加工を可能とする超高周波振動切削加工に関する研究
Project/Area Number |
17760103
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
鈴木 教和 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00359754)
|
Keywords | 超音波振動 / 楕円振動切削加工法 / 振動モード / 延性モード加工 / タングステン合金 / 焼結材料 / 微細加工 / 工具摩耗 |
Research Abstract |
本研究課題においては、高周波(数百kHz〜1MHz)の低振幅振動を工具刃先に付加する楕円振動切削技術を開発するとともに、焼結材料の延性モード加工の実現に挑戦する。本年度は、基礎的な振動系の設計・評価を目的として、百kHz以下の周波数で縦振動とたわみ振動を組み合わせて楕円振動を発生する振動工具の設計・試作、およびその制御システムの設計を行った。さらに、次世代のガラス成形用金型として期待されている金属焼結材料であるタングステン合金について、その基礎的な加工特性と延性モード加工メカニズムの評価を行った。以下に得られた成果および知見を示す。 (1)有限要素解析を援用して、2次の縦振動と4次のたわみ振動についてそれぞれの振動モードの共振周波数と節の位置が一致する34kHzの振動子の形状について設計を行った。さらに、形状修正加工による各振動モードの共振周波数差の微調整方法を考案した。 (2)上述の設計に基づいて振動子を試作し、さらに形状の微調整を繰り返すことにより、共振周波数と節の位置が大まかに一致する振動子を試作できることを確認した。さらに、試作した振動子を用いることにより、34kHzで所望の楕円振動を発生できることを確認した。 (3)試作した振動子をオープンループ駆動し、金属材料の切削実験に適用した結果、所望の楕円振動軌跡で加工を行うことができ、通常の切削と比較して大幅に切削力が減少する効果を確認した。 (4)試作した振動子の超音波楕円振動を高速制御する振動制御装置の設計を行った。この際、振動モデルを詳細に考慮した新しい干渉除去手法について考案を行った。 (5)タングステン合金の加工実験を行い、その基礎的な加工メカニズムについて評価を行った。
|