2005 Fiscal Year Annual Research Report
メタルハニカムによるディーゼル微粒子の処理と内部構造の最適化
Project/Area Number |
17760162
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 和弘 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60283488)
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Keywords | 数値解析 / ディーゼル微粒子 / 格子ボルツマン法 / すす / 燃焼 |
Research Abstract |
ディーゼル車の排ガスに含まれる有害物質のうち,特に粒子状物質(PM)については対策が急務となっている.近年,PMを処理するフィルター(Diesel Particulate Filter, DPF)が開発されたが,効率的にPMを捕集することは容易ではない.PMをフィルターにより効率的に捕集・除去するには,実験による試行だけでなく数値解析も行い,最適な内部形状の検討などの製品開発を行うことが望ましい.本研究では,多孔体の内部にすす粒子が吸着する現象を計算により模擬した.具体的には,すすの堆積計算において,入口からすすを含んだ混合気を流入させ,多孔体壁面に衝突したすす粒子は全て壁面に吸着するとした.堆積が進んですすの質量分率が1を越えた場合は,その格子点を流体が浸入しない領域とみなす.これにより,すす粒子が吸着し流れが変化する様子が計算できるが,一旦吸着したすす粒子は脱離しないとした. また,粒子の吸着に最適なフィルターの内部構造を検討することを目的とし,二相の分離現象に着目して,任意の空隙率や濡れ面積を持つ多孔体を計算により作成した.ここで,多孔体の生成方法について説明する.計算では水と油など二相が分離する現象を.格子ボルツマン法により模擬する.このとき,二相の境界面をもとに多孔体の形状を決定した.仮想的な青と赤の二相を考え,一方の相(赤)を流体,もう一方(青)を移動しない固体と考えることにする.空隙率は計算初期に与える二相の割合から決まるので,異なる時刻における二相の分布を用いることにより,空隙率を変えずに濡れ面積のみを自由に変化させることができる.本解析の結果,(1)NiCrのメタルハニカムと同じ空隙率・濡れ面積を持つ多孔体構造を生成することができた,(2)生成させた多孔体を用いて,格子ボルツマン法により多孔体内部にすす粒子が吸着する様子を模擬することができた.
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Research Products
(2 results)