2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17760163
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斎藤 寛泰 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80362284)
|
Keywords | 噴霧燃焼 / アルコール燃料 / レーザ計測 / ホルムアルデヒド / レーザ誘起蛍光 / 着火 / 一酸化窒素 / ラジカル |
Research Abstract |
定容燃焼器内におけるアルコール噴霧燃料の高圧燃焼試験およびその排ガス測定に先立ち,排ガス中のホルムアルデヒド濃度を測定するため,レーザ誘起蛍光法を利用した分光計測システムの構築と測定雰囲気条件を変えることができるテストセル試験装置を製作し,濃度測定実験を行った.実際の燃焼排ガスでは,燃焼器内の燃焼状態や排気系の条件によって排出されるガスの温度,組成,圧力が異なるため,これらの依存性を把握しておくことが必要である.具体的には,様々な雰囲気温度(298〜670K),雰囲気圧力(1〜5気圧),および,雰囲気ガス組成(ヘリウム,窒素,二酸化炭素,空気,酸素)の環境下にあるホルムアルデヒド蒸気からのレーザ誘起蛍光スペクトル強度を分光測定し,信号強度に及ぼすそれらの影響について詳細に調べた.その結果,蛍光寿命は雰囲気組成によって異なり,特に酸素雰囲気で短くなること,圧力上昇により蛍光寿命の逆数で示される蛍光減衰速度が対数関数的に増加すること,さらに,雰囲気温度が上昇することで蛍光スペクトル形状そのものが変化し,この蛍光減衰速度が指数関数的に増加することが確認できた.これらの知見は,実際の燃焼排ガス中におけるホルムアルデヒド濃度測定における信号強度の解釈に用いることができる. さらに,噴霧燃料の高圧燃焼特性改善のための手法として,燃料の前処理についても新たに検討した.マイクロバブル添加により燃料を前処理し,その噴霧燃焼特性を調べるというものであり,その効果を確かめるための予備実験として,大気開放型の噴霧バーナを用いて,前処理なしの場合と排ガス性状を比較した.その結果,バブル添加により一酸化窒素濃度が低下することが確認できた.この結果について,2006年7月9日に米国で開催される第42回AIAA/ASME/SAE/ASEE Joint Propulsion & Exhibitで発表する.
|