2005 Fiscal Year Annual Research Report
粗子化分子動力学シミュレーションによる相変化ダイナミクス
Project/Area Number |
17760172
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
泰岡 顕治 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (40306874)
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Keywords | 液晶 / 分子動力学シニュレーション / 散逸粒子動力学シミュレーション |
Research Abstract |
分子動力学シミュレーションの利点を生かし,かつ分子固有の特徴を失わずに粗子化することで,下記の現象の解明を行うことを目的とする.特に(1)近年注目されている自己組織化(温度変化のみによって相変化を起こし,電場や磁場などの外場によらずに系が組織化する)が起こるような液晶分子において,ランダムな相(アイソトロピック相)から組織化された相(ネマティック相,スメティック相)への相変化ダイナミクスの解明(2)界面吸着分子(長鎖アルコールなど)の気液界面への吸着・脱着の非平衡ダイナミクスと吸着面内の2次元的相変化ダイナミクスの解明を目的としている.本年度は,主に目的の(1)について行い,液晶の粗子化分子動力学シミュレーションを行った.分子を回転楕円体として近似するゲイバーン粒子を用いてシミュレーションを行い,平板間に挟まれた液晶の振る舞いを観察した.また拡散係数を算出し平板間に挟まれた効果を検討した.さらに,回転楕円体を用いる粗子化分子動力学法より計算効率が良いと考えられる散逸粒子動力学シミュレーション(Dissipative Particle Dynamics : DPD)法を用いてシミュレーションを行うことを検討しているので,DPD法を用いたプログラムを作成し,DPD法の特徴の妥当性について検証した.DPD法で用いるポテンシャルの形が時間刻みを大きくする効果があることを見いだしたので,今後液晶分子に用いることができるDPD粒子を作製することが必要である.
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