2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノフィラーを含む熱硬化性樹脂の分子設計と次世代集積回路への応用
Project/Area Number |
17760245
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
福島 誉史 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10374969)
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Keywords | ナノフィラー / 熱硬化性樹脂 / 半導体微細加工技術 / システムオンチップ / システムインパッケージ / 三次元集積回路 / 耐熱性樹脂 / アンダーフィル |
Research Abstract |
Si基板上に塗布・硬化後に発生する反りの測定から、粒径50nmのナノフィラーを含むエポキシ樹脂の熱膨張係数(CTE)は、粒径の大きな(200-2000nm)フィラーを含むエポキシ樹脂のそれと比較して大きな差はないことが判明した。CTE値はフィラー含有率に依存するが、フィラー含有率の増大により樹脂の粘度が著しく上昇する。また、ナノサイズのフィラーは樹脂の硬化を阻害するため、樹脂のガラス転移温度を低下させる。次世代集積回路として注目されている三次元積層型チップのアンダーフィル剤として使用するには、約4μmの間隙に粘性の樹脂を流し込む必要がある。そのためには、樹脂に混合するフィラーの粒径はナノサイズにすることが必要であるが、樹脂粘性の増大を抑制することが必要不可欠である。 本研究では、積層型チップ間の狭ギャップに低粘性の樹脂を短時間で注入し且つ、反りの発生を最小限に抑えることができるように樹脂の分子設計を行った。ここで用いた樹脂の特徴を以下に示す。 1.樹脂A:エポキシ樹脂、粘度:400cPs、表面張力:45mN/m 2.樹脂B:シリコーン樹脂、粘度:1000cPs、表面張力:20mN/m シリコーン樹脂の塗布膜厚が30μmの時の反り量は低く約5μmであったが、アンダーフィル後の研磨、CMP工程ではその低弾性率(約50MPa)が信頼性に欠ける。一方、発生する反り量は、樹脂膜厚に強く依存し、エポキシ樹脂の膜厚が10μmの場合、反り量は+15μmであった。このエポキシ樹脂を用いて注入を行った結果、Peripheral bumpを形成した5mm角チップの充填に要する時間は約110秒であり、計算式から求めた理論注入時間150秒より短い。この理由は、注入前、チップ端に滴下する樹脂の容量に強く依存するためである。適量な樹脂を滴下することにより十分に実用的な時間内で注入できることが分かった。
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Research Products
(6 results)