2005 Fiscal Year Annual Research Report
2種類の光電変換膜を用いた低照度対応型・広ダイナミックレンジイメージセンサの研究
Project/Area Number |
17760287
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Research Institution | Nagano National College of Technology |
Principal Investigator |
秋山 正弘 長野工業高等専門学校, 電気電子工学科, 助手 (90390450)
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Keywords | 電子デバイス・機器 / イメージセンサ / 広ダイナミックレンジ化 / 低照度 / アモルファスシリコン |
Research Abstract |
本研究では、イメージセンサの低照度側への広ダイナミックレンジ化実現のために、2種類の光電変換膜の製作、また広ダイナミックレンジ化を実現できる集積回路の開発を進めた。具体的な実施内容は光電変換膜に関する研究1.2.および読み出し回路に関する研究3.4.に分けることができる。具体的内容を以下に示す。 1.2種類の光電変換膜を製作した。1種類目は従来と同様な光電変換膜(高照度用)、2種類目は高感度光電変換膜(低照度用)である。高感度光電変換膜の製作は、従来製作した傾斜型a-Si:H APDの低電圧動作化・光電流増倍率向上を目指した。製作では傾斜層膜厚・光吸収層膜厚を変化させた。 2.光電流特性・光電流増倍特性を評価した。高感度光電変換膜の具体的な評価対象は以下の2つである。1つ目は増倍率の大きさ、2つ目は増倍開始電圧の低電圧化である。今年度の研究で製作した素子(傾斜型a-Si:H APD)の光電流特性・光電流増倍特性の評価から最大増倍率は2倍程度から7倍程度まで大きくできた。また増倍開始電圧は10V程度から4V程度まで低電圧化できた。 3.広ダイナミックレンジ化対応型読み出し回路の開発を行った。回路シミュレータを用いて低照度側への広ダイナミックレンジ化を実現できる読み出し回路の開発を行った。回路シミュレータによる評価、またディスクリートの市販素子を用いての回路特性評価より広ダイナミックレンジ化対応型読み出し回路が設計できた。 4.高感度光電変換膜と読み出し回路を一体化(積層化)させた場合のシミュレーションを進めた。高感度光電変換膜は高電圧を用いる為、読み出し回路の破壊が懸念される。そこでデバイスシミュレータを用いて高感度光電変換膜とイメージセンサを一体化(積層化)させた場合の電気的ポテンシャルの変化を評価した。評価結果より高感度光電変換膜と読み出し回路の一体化(積層化)は可能である。
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