2005 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度磁気センサを用いた電磁的非破壊検査装置のモバイルロボット化
Project/Area Number |
17760336
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
廿日出 好 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (90339713)
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Keywords | SQUID磁気センサ / 電磁的非破壊検査 / ロボット / モバイル / アクティブシールド / 冷凍機 |
Research Abstract |
現在最も感度の高いSQUID磁気センサを用いた電磁的非破壊検査は、従来の非破壊検査技術では検出困難な微小欠陥や深部欠陥を検出できる能力を持つ。このため、大型構造物に対する新しい非破壊検査技術として実用化が望まれてきた。しかし、SQUID磁気センサの超高感度特性(最小磁場感度約10-^<14>T)のため、それよりはるかに大きな地磁気(約5×10^<-5>T)を含む環境磁気中では、地磁気が測定限界を超える磁気雑音となり、センサを移動させた構造物の走査が実施できなかった。 そこで、本年度の研究では、SQUID磁気センサ移動時に鎖交する環境磁気雑音をリアルタイムに相殺することによりセンサ移動を可能にするアクティブシールド技術の開発を行った。アクティブシールド技術として、SQUID磁気センサに鎖交する環境磁気の計測出力を利用して、センサ近傍に設置した補償コイルから相殺磁気を発生させて、環境磁気を打ち消す帰還回路を開発した。本帰還回路には狭帯域遮断フィルタを導入して、非破壊検査に用いる特定周波数の磁気信号を相殺することなく、検査信号以外の全周波数帯域の磁気雑音を相殺するという特徴を持たせた。この帰還回路内の抵抗値を最適化することにより、環境磁気中を、磁気ノイズの増加なしにSQUID磁気センサを32mm/sの速度で移動することが可能となった。また、この雑音の相殺を行った状態で、SQUID磁気センサを二次元移動させて、ロケットなどの構造物に使用されている先進複合材料であるC/C(炭素繊維炭素強化複合材料)の非破壊検査を行い、深部15mmに位置する欠陥を非破壊、非接触で検出することができた。また、本年度購入したロボットアームにこの非破壊検査装置を実装した。 次年度は、非破壊検査装置を実装したロボットアームを自走化、およびSQUID磁気センサの冷却に扱いの容易な冷凍機の導入を行い、本技術の実用化を図る。本装置を用いて、実際の構造物に対して検査試験・性能評価を行う。
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